◎ストは3週目に突入し、国内にある7つの製油所のうち6つが閉鎖を余儀なくされている。
2022年10月14日/フランス、パリ郊外のガソリンスタンド前(Michel Euler/AP通信)

フランス強硬派労働組合「フランス労働総同盟(CGT)」は14日、仏エネルギー大手トタルが提示した7%の賃上げを拒否し、ストを継続すると誓った。

地元メディアによると、全国のガソリンスタンドで給油を待つ車の列ができたという。全国のスタンドの約30%が供給不足に陥っており、パリ周辺と北部が特に大きな影響を受けているようだ。

全国の労働者の過半数を代表するCGTとフランス民主労働総同盟(CFDT)は10%の賃上げを要求している。

報道によると、CGTはトタル社が提示した7%の賃上げと一時金を拒否したという。

労組は原油価格の高騰で石油関連企業が莫大な利益を上げていることを踏まえ、インフレ率を考慮した賃上げを求めている

トタル社は14日、国内の全従業員の給与を7%引き上げると声明を出し、スト終結を求めた。また同社は、原油価格の高騰で得た利益を還元する試みとして、12月に国内外の全従業員に1ヶ月分の給与を一時金として支給すると提案した。

ストは3週目に突入し、国内にある7つの製油所のうち6つが閉鎖を余儀なくされている。

CGTは11日、国内の工業、鉄道、その他のセクターにもストを呼びかけ、製油所ストに介入すると警告した政府に抗議するよう呼びかけた。

一方、CFDTと他の労組は今週初めの賃上げ交渉に合意したため、米石油大手エクソンモービルの支社のストは終わったと伝えられている。

政府報道官は14日、「西部と北部の2つの製油所に対する政府の徴発によって混乱が収束することを望む」と述べた。

また報道官は、「この悪夢、耐え難い状況から抜け出すために全力を尽くす」と国民に約束した。

しかし、スタンド渋滞に巻き込れた一部のドライバーは労組を応援しているように見えた。

パリ郊外のスタンドで列に並んだ女性はAP通信の取材に対し、「これがフランス流です」と語った。

スタンド近くで燃料切れを起こし、車を押す羽目になった女性もストに理解を示した。「原油の高騰で儲かった企業は利益を従業員に還元すべきです。フランスの労働者を怒らせると怖いですよ」

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