◎旧ソ連時代に開発されたTu-141偵察機はウクライナからルーマニアとハンガリーを横断してクロアチアに入り、10日深夜にザグレブの駐車場近くに墜落した。
2022年3月11日/クロアチア、首都ザグレブ、ロシア製の軍用ドローンが墜落した地点を調査する警察官(Darko Bandic/AP通信)

クロアチアの国防相は13日、ウクライナからNATO加盟国の領空に侵入し、首都ザグレブの市街地に墜落した軍用ドローンは爆発物を搭載していたと明らかにした。

旧ソ連時代に開発されたTu-141偵察機はルーマニアとハンガリーを横断してクロアチアに入り、10日深夜にザグレブの駐車場近くに墜落した。警察によると、墜落時に爆発が発生したものの、負傷者はいなかったという。

バノジッチ国防相は墜落現場を視察後、記者団の取材に対し、「偵察機ではないことを示唆する痕跡や手がかりが見つかった」と述べた。「当局は墜落地点で爆発物の破片を回収しました...」

バノジッチ国防相は軍用ドローンの所有者について、「現時点でハッキリしたことは言えないが、ロシアとウクライナの両方を示す要素が見つかっている」と述べ、調査を継続すると強調した。

AP通信によると、航空事故調査官は墜落時にできたクレーターからドローンの残骸と破損したブラックボックスを回収したという。

軍用ドローンのブラックボックスは民間旅客機と同じく、墜落事故の原因究明で大きな役目を果たす。

クロアチア政府は先日、「ロシア・ウクライナ戦争に影響を与える可能性のある事件に対するNATOの反応はあまりに鈍い」と厳しく批判し、NATO加盟国の即応体制に疑問を呈した。

NATOは11日、加盟国の航空・ミサイル防衛システムで物体の飛行経路を追跡していると述べた。しかしクロアチア当局者は同日、「NATOはジャーナリストから質問を受けた後に調査を開始した」と述べ、不満をあらわにした。

バノジッチ国防相は記者団に、「もしこの事件の探知が遅れ民間人に影響が出ていたら、私たちは今日ここにいなかっただろう」と述べ、NATOを批判した。

ルーマニアとハンガリーはNATO加盟国であり、爆発物を搭載したドローンが墜落し被害が出れば欧州戦争に発展する可能性がある。ドローンがロシアの所有物でNATO加盟国に攻撃をしかけたと見なされれば5条(集団防衛)が発動し、米軍は同盟国の防衛に乗り出す。

ルーマニアとハンガリーの国防相は13日、「答えを探している」と声明を発表した。「当局は現在、ドローンの飛行経路などを評価しています...」

クロアチアの捜査当局は事故発生から間もなく、墜落した機体を1980年代に旧ソ連で使用されたTu-141と特定した。

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