デンマーク連立協議成立、フレデリクセン氏が首相続投へ
フレデリクセン氏は6月1日、首都コペンハーゲンで記者団に対し、「長期にわたる交渉の末、国王に政府樹立が可能になったと報告した」と述べ、連立合意の成立を正式に発表した。
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デンマークのフレデリクセン(Mette Frederiksen)首相が新たな中道左派連立政権の樹立で合意し、3期連続となる首相続投を決めた。3月の議会選挙以来続いていた政治的空白状態は解消される見通しとなったが、物価高騰への不満や安全保障問題など課題は山積しており、新政権は難しいかじ取りを迫られることになる。
フレデリクセン氏は6月1日、首都コペンハーゲンで記者団に対し、「長期にわたる交渉の末、国王に政府樹立が可能になったと報告した」と述べ、連立合意の成立を正式に発表した。これにより2019年から政権を担ってきた同氏は、引き続きデンマークを率いることになる。
今回の連立政権はフレデリクセン氏率いる与党・社会民主党を中心に、社会自由党や緑の党などが参加する少数与党となる見通しで、議会では左派勢力の支持を受けながら政権運営を進める。3月末に行われた議会選挙(一院制、定数179)では12政党が議席を獲得し、かつてないほど細分化された。選挙後、政権樹立に向けた協議が難航し、2カ月以上にわたり不透明な状況が続いていた。
選挙では社会民主党が引き続き第1党の地位を維持したものの、獲得議席は前回の50議席から38議席に減少した。背景には生活費の高騰に対する国民の不満があるとみられている。エネルギー価格や住宅費の上昇が家計を圧迫し、与党への批判票につながったと分析されている。
一方で、フレデリクセン氏への支持を支えたのが安全保障分野での対応だった。デンマーク自治領グリーンランドをめぐり、トランプ(Donald Trump)米大統領が併合の可能性に言及したことで両国関係は緊張状態にある。フレデリクセン氏はこれまで一貫してグリーンランドの自治と主権を尊重する立場を示しており、その強硬姿勢が国内で一定の支持を集めた。
さらに、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化を受け、デンマーク政府は軍備増強を急いでいる。新政権も防衛費の拡大や北欧地域の安全保障協力を重要政策として掲げ、欧州の防衛体制強化に積極的に関与する方針だ。フレデリクセン氏は現世代だけでなく将来世代への責任を果たす政府を目指すと強調している。
また、今回の選挙では動物福祉政策も大きな争点となった。新政権は畜産業における動物保護基準の強化や環境対策にも取り組む考えを示し、気候変動問題への対応と合わせて政策課題の一つに位置付けている。
閣僚名簿は今後数日以内に発表される予定。少数与党として発足する新政権は、議会との協調を維持しながら経済対策と安全保障政策を進めなければならない。3期目に入るフレデリクセン政権が国内外の難題にどのように対応するのか注目が集まっている。
