◎ボルソナロ大統領はウクライナ東部で緊張が高まっているこの時期に初めてロシアを訪問した。
2022年2月16日/ロシア、首都モスクワのクレムリン、ウラジーミル・プーチン大統領とブラジルのジャイール・ボルソナロ大統領(AP通信)

2月16日、ブラジルのジャイール・ボルソナロ大統領がロシアを訪問し、ウラジーミル・プーチン大統領と会談した。

プーチン大統領は会談前の会見でボルソナロ大統領と固く握手を交わし、両国の関係を称賛した。

ボルソナロ大統領はウクライナ東部で緊張が高まっているこの時期に初めてロシアを訪問した。ブラジルの野党議員、専門家、米国はこの時期の首脳会談に懸念を表明していた。

一部のソーシャルメディアユーザーは「ボルソナロが危機を解決する」「仲介者ボルソナロ」「ブラジルのネゴシエーター」などと希望を表明している。

両大統領は共同会見の中でウクライナやロシアの安全保障の要求には一切触れなかった。

ロシア外務省は両大統領が小さなテーブルで顔を突き合わせている写真を公開した。最近行われたフランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのオラフ・ショルツ首相との会談では数メートルのテーブルが使われていた。

会談後、プーチン大統領は記者団に対し、「包括的かつ建設的な会談を行った」と述べた。「ロシアとブラジルは友好関係と相互理解によって結ばれています。両国の戦略的パートナーシップは、さまざまな分野に及んでいます。我々はこれからも政治的、経済的、人道的な関係を発展させ、国際的な舞台で緊密に協力するために共に努力していきます...」

ボルソナロ大統領も両国は神への信仰や家族の擁護といった共通の価値観を有していると述べた。「私たち平和を望み、平和を約束する国々と連帯しています...」

会談開始後、クレムリンは、「両大統領は戦略的パートナーシップを強化し、政治対話を深め、主権、国際法、両国が共有する法の支配の原則に基づき、二国間関係のレベルを引き上げるという決意を再確認した」と声明を発表した。

ボルソナロ大統領のモスクワ訪問はウクライナ危機が劇的に悪化する前に計画されていた。ブラジルとロシアは主に農業分野で連携している。

AP通信によると、一部の閣僚はボルソナロ大統領に会談を延期するよう求めたという。

また外務省の高官はAP通信に、「米国当局から、今回の出張で”ブラジルはウクライナ危機に無関心である”というメッセージを受け取った」と明らかにした。

ボルソナロ政権の元外相もこの時期の訪問を「最悪」と呼び、非難している。

アラウージョ元外相は地元ラジオのインタビューの中で、「肥料購入の話し合いに出張は必要ない」と述べた。「なぜ今行くのですか?彼はプーチンの術中にははまらないと思っていますが、完全にはまっています」

ボルソナロ大統領は専用機でロシアの領空に入った際、「ロシア軍がウクライナ近郊から部隊を撤退させた」とツイートし、さらに「私の訪問で武力紛争が解決する」と冗談を言った。

ブラジルの地元メディアによると、外務・防衛当局の高官はボルソナロ大統領にウクライナについて言及しないよう助言し、プーチン大統領が言及した場合は中立を示し、対話を支持するよう助言したという。

ロシアは米国の勢力圏の一部と見なされている中南米への浸透を図っている。南米のロシア製武器購入は一次産品ブームの終焉とベネズエラ経済の崩壊により激減した。

報道によると、ボルソナロ大統領は首脳会談後、議会下院と無名戦士の墓を訪問したという。ボルソナロ大統領はロシアからハンガリーに向かい、保守派の友人オルバーン・ヴィクトル首相とも会談する予定。

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