◎チハノフスキー氏は昨年5月、大統領選挙に立候補すると表明した2日後に暴動を扇動した罪で逮捕された。
2020年5月24日/ベラルーシ、首都ミンスク、大統領選挙に立候補したセルゲイ・チハノフスキー氏(Sergei Grits/AP通信)

12月14日、ベラルーシの裁判所は主要な野党指導者のひとりであるセルゲイ・チハノフスキー氏に懲役18年の実刑判決を言い渡した。

チハノフスキー氏は昨年5月、大統領選挙に立候補すると表明した2日後に暴動を扇動した罪で逮捕された。チハノフスキー氏のスローガン「ゴキブリをとめろ」は権威主義に反対する人々から広範な支持を集めていた。

逮捕後、妻のスヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏は夫の代わりに大統領選挙に立候補し、独裁者を追放するよう国民に呼びかけた。

ルカシェンコ大統領は有効票の90%以上を獲得したと主張し勝利を宣言したが、西側諸国と反対派は選挙を偽物と非難している。ベラルーシは国連を含む主要な選挙オブザーバーの受け入れを拒否していた。

ツィハノウスカヤ氏は投票日の翌日、リトアニアに亡命した。

ツィハノウスカヤ氏は14日、「ルカシェンコは非公開の秘密裁判で反対派を弾圧し続けているが、我々は止まらない」とツイートした。

ベラルーシ国家保安委員会(KGB)と警察当局は国内で活動する非政府組織、活動家、ジャーナリストに圧力をかけ、反政府抗議に参加したり支持した疑いのある者を手当たり次第に逮捕している。国内の独立系メディアと主要な人権団体の多くが過激派組織に指定され、活動休止に追い込まれた。

ツィハノウスカヤ氏はAP通信のインタビューの中で夫の実刑判決について、「ルカシェンコは夫を恐れ、罪をでっちあげ、刑務所に収監しようとしている」と語った。「私は子供たちに父親とはしばらく会えないと言いたくありません...」

チハノフスキー氏は1年半以上拘留されているが、取り調べや裁判に関連する情報は一切明らかにされていない。裁判はすべて密室で行われたと伝えられている。

主要な野党政治家のひとりであるミコライ・スタトケビッチ氏を含む数人も長期刑を宣告された。同氏は2010年の大統領選挙でルカシェンコ大統領に挑戦し、選挙後の抗議を扇動した罪で懲役6年の実刑判決を受け、服役した。

国営メディアによると、スタトケビッチ氏は懲役14年を言い渡されたという。

同じく選挙後に逮捕された29歳の活動家であるイハル・ロシク氏は懲役15年を宣告された。ロシク氏は逮捕に抗議し、刑務所でハンガーストライキを行っていた。

ベラルーシのジュリー・フィッシャー駐米大使はツイッターに、「政権は公正な選挙で野党に負けることを恐れている」と投稿した。 「米国は国際社会の同盟国とともに、不当逮捕、拘留、暴力、報復裁判に直面したすべての人々を無条件で釈放させるための努力を続けます...」

ベラルーシの秘密裁判所は今年7月にも野党指導者のひとりで元銀行家のヴィクタル・ババリコ氏に懲役14年の実刑判決を言い渡した。

西側諸国はベラルーシに対する制裁を強化しているが、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の後ろ盾を得ているルカシェンコ大統領は弾圧だけでなく、隣国に移民希望者を送り込む「ハイブリッド攻撃」を仕掛けている。

2021年5月25日/リトアニア、首都ビリニュス、ベラルーシの野党党首スヴャトラーナ・ツィハノウスカヤ氏(AP通信/Mindaugas Kulbis)
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