◎事件はアビヤン州郊外で27日夜に発生。UAE(アラブ首長国連邦)の支援を受ける「シャブワ防衛軍」もしくは「巨人旅団」に忠誠を誓う分離独立派の民兵がアルカイダ系組織の襲撃を受けた。
イエメン、アルカイダ系組織の戦闘員(Getty Images)

イエメン南部アビヤン州で分離独立派の戦闘員少なくとも5人が国際テロ組織アルカイダと疑われる武装勢力の攻撃を受け死亡した。地元当局が28日、明らかにした。

それによると、事件はアビヤン州郊外で27日夜に発生。UAE(アラブ首長国連邦)の支援を受ける「シャブワ防衛軍」もしくは「巨人旅団」に忠誠を誓う分離独立派の民兵がアルカイダ系組織の襲撃を受けたという。

AP通信は関係者の話しとして、「この銃撃戦で分離独立派の戦闘員少なくとも5人が死亡、3人が負傷した」と伝えている。

分離独立派は同国の大部分を実行支配するシーア派武装勢力フーシに忠誠を誓う勢力からいくつかの地域を奪還した後、攻撃を受けたようだ。

それ以上の詳細は明らかにされておらず、フーシ派および国連の承認を受けるイエメン政府もコメントを出していない。アルカイダ系組織に死傷者が出たかどうかも不明である。

南部に拠点を置く暫定評議会はUAEの支援を受けており、港湾施設や油田などを実行支配している。

同評議会はイエメン政府およびフーシ派と対立し、独立国家の建設を目指している。

イエメンの武装勢力「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」はアビヤン州に拠点を置き、中央政府の治安部隊を定期的に攻撃している。AQAPはアルカイダの中で最も危険な派閥のひとつと考えられている。

シャブワ防衛軍の報道官は28日、南部シャブワ州の幹線道路で爆弾が爆発し、同組織の戦闘員4人が死亡したとX(旧ツイッター)に投稿。AQAPの犯行と非難した。

イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この10年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。

AQAPはこの内戦を利用して勢力を拡大。その存在を確固たるものにした。

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