◎米国の慈善団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」は昨年10月にガザ紛争が始まって以来、3300万食以上の食事を市民に提供してきた。
2024年3月20日/パレスチナ自治区、ガザ地区南部、米国の慈善団体「ワールド・セントラル・キッチン」の炊き出し(Getty Images)

米国の慈善団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」は2日、イスラエル国防軍(IDF)の攻撃により、職員7人が死亡したと発表した。

WCKの代表であるアンドレス(Jose Andres)氏は声明でイスラエルを糾弾。「人道支援に当たっている職員を攻撃するなど言語道断」と厳しく非難した。

それによると、亡くなったのは英国人3人、オーストラリア人1人、ポーランド人1人、パレスチナ人1人、米国人1人の計7人。

WCKはこの攻撃を受け、ガザ地区での炊き出しを一時停止している。

ホワイトハウスのジャンピエール(Karine Jean-Pierre)報道官は2日、バイデン(Joe Biden)大統領がアンドレス氏と電話で話し、哀悼の意を伝えたと明らかにした。

ジャンピエール氏は「バイデン大統領はWCKがガザを含む世界中で多大な貢献をしてきたことに謝意を示し、イスラエルに人道支援団体を保護するよう改めて強く要請するとアンドレス氏に説明した」と述べた。

カービー(John Kirby)戦略広報調整官もこの攻撃を厳しく非難した。

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は2日、ヘルニアの手術を受けた病院を退院する際、この攻撃に初めて言及した。

ネタニヤフ氏は声明で、「残念なことに、先日、我が軍が意図せずガザ地区で罪のない人々を攻撃するという悲劇的な事件が起きた」と述べた。

またネタニヤフ氏は非武装の一般市民が紛争に巻き込まれたことについて、「戦場ではよくあることだ」と指摘。「我々は各国政府と連絡を取り合っており、このようなことが二度と起こらないよう、あらゆる手を尽くす」と表明した。

ネタニヤフ氏はその後、2つ目の声明を発表。「7人の人道団体職員の命を奪った悲劇的な事件の調査を命じた」と明らかにしたうえで、イスラム組織ハマスを撃滅するまで戦い続けると誓った。「我々はこの地からハマスを消し去るまで戦い続けます..」

WCKは昨年10月に紛争が始まって以来、3300万食以上の食事を市民に提供してきた。それによると、約400人のパレスチナ人がWCKの炊き出しに協力し、60カ所以上で食事を提供しているという。

パレスチナ側の死者は3万3000人近くに達し、今も増え続けている。

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