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英仏独含む主要7カ国、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地拡大を非難

イスラエルのネタニヤフ政権は近年、右派・宗教政党との連立を背景に入植政策を加速させている。
ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地(Getty Images)

イギリスやフランス、ドイツなど主要西側7カ国は22日、イスラエル政府に対し、ヨルダン川西岸地区での入植地拡大を停止し、ユダヤ人入植者による暴力行為を抑制するよう求める共同声明を発表した。声明にはイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが参加、イスラエルの政策が地域の緊張を高め、パレスチナとの「二国家解決」の可能性を損なっていると強く批判した。

共同声明では、「ここ数カ月で西岸地区の状況は著しく悪化した」と指摘。入植者によるパレスチナ住民への暴力が「前例のない水準」に達していると警告した。また、イスラエル政府が支配地域をさらに拡大しようとしていることが不安定化を招いていると批判した。各国はイスラエル政府に対し、暴力に関与した入植者の責任追及や、イスラエル治安部隊による虐待疑惑の調査を求めた。

問題の中心となっているのは、西岸地区東部の「E1」と呼ばれる開発計画である。この地域は整地エルサレムと主要入植地を結ぶ要衝で、イスラエルが住宅建設を進めれば、西岸地区北部と南部が分断され、将来のパレスチナ国家建設が極めて困難になると指摘されている。共同声明は、E1計画に関与する企業に対し、国際法違反に関わる法的・評判上のリスクが生じる可能性があると警告した。

イスラエルのネタニヤフ政権は近年、右派・宗教政党との連立を背景に入植政策を加速させている。特に極右政党のスモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相らは、西岸地区におけるイスラエルの主権強化を主張しており、土地の国有化や新規入植地承認を推進している。今年2月には、西岸地区の一部を「国有地」として登録する計画が承認され、パレスチナ側や国際社会から「事実上の併合」だと反発を受けた。

国際社会の多くは、1967年の第三次中東戦争以降に建設された入植地を国際法違反とみなしている。国連安全保障理事会決議2334も、入植活動には「法的効力がない」と明記し、停止を求めている。しかしイスラエル政府は、安全保障上の必要性や歴史的権利を理由に政策を継続してきた。

一方、イスラエル側は今回の声明に反応していない。ただ、西側諸国の間では、ガザ情勢に加えて西岸地区政策への不満が強まり、ネタニヤフ政権への圧力が拡大している。欧州連合(EU)内部では、イスラエルとの協定停止を求める声も上がっており、対イスラエル外交は転機を迎えつつある。

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