◎米政府は2日、トルコ軍の空爆により、米軍主導の対ISIS作戦に影響が出ていると懸念を表明した。
2022年2月8日/シリア北部、米軍のパトロール部隊(Baderkhan Ahmad/AP通信)

米軍は3日、シリア北東部におけるクルド人部隊との合同パトロールを再開した。

米軍はトルコがこの地域のクルド人武装勢力に攻撃を仕掛けたため、数日前からパトロールを中止していた。

AP通信によると、米軍の装甲車4台とシリア民主軍(SDF)の車両1台が北東部ハサケ県にある米軍基地を出発したという。

パトロール隊はイスラム国(ISIS)の活動を監視しながら、イラク国境近くにある別の米軍基地に向かうとみられる。

米政府は2日、トルコ軍の空爆により、米軍主導の対ISIS作戦に影響が出ていると懸念を表明した。

米国はシリア北部に拠点を置く「クルド人民防衛部隊(YPG)」を対テロ戦争の最重要同盟組織と位置付けている。

AP通信によると、3日に再開したパトロールはISISを取り締まるものではなく、女性や子供数万人が避難するキャンプ周辺やISIS戦闘員数千人を収容している刑務所の安全確認に限定されるという。

トルコ軍はこの数日、シリアおよびイラクで活動するクルド人武装勢力の拠点を空爆している。エルドアン(Recep Tayyip Erdogan )大統領は先月の記者会見で「空爆は始まりに過ぎない」と警告し、YPGに対する地上作戦を計画していると明らかにしたが、開始時期は明言していない。

トルコ政府はイスタンブールのイスティクラル通りで先月13日に発生した爆破テロに反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」が関与したと断言しているが、PKKとYPGは関与をしている。

米軍は先月26日、シリア北東部の米軍基地に駐留しているクルド人部隊がトルコ軍の攻撃を受けたと発表した。負傷者と基地への被害はなかった。

SDFは2019年3月にISISから最後の領土を奪還した。

SDFはトルコ軍の空爆がこの地域に潜伏するISIS戦闘員との戦いを困難にし、テロの脅威が高まっていると警告している。

米軍はシリアに兵士約900人を配備している。

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