キューバ国連代表が米国との交渉に言及「妥協しない」経済危機続く中
米国とキューバは現在、緊張関係の中で限定的な対話を続けている。
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キューバ政府は23日、米国との交渉において、政治犯の釈放が条件になっているとの見方を明確に否定した。キューバのグスマン(Ernesto Soberón Guzmán)国連常駐代表はAP通信のインタビューで、「政治犯の解放は交渉事項ではない」と述べ、米側が提示している要求や圧力を退けた。
米国とキューバは現在、緊張関係の中で限定的な対話を続けている。特に米国が課している石油・エネルギー分野の制裁はキューバ経済に深刻な影響を与えており、慢性的な燃料不足や停電、物資不足が社会不安を高めている。こうした状況の中で、双方は首都ハバナで高官級協議を実施し、関係改善の可能性を探っている。
しかし、交渉の焦点をめぐって両国の立場は大きく隔たっている。米側は制裁緩和の条件として、政治的自由の拡大や政治犯の釈放、経済改革の実施を求めている。一方、キューバ政府はこうした要求を内政干渉とみなし、主権の尊重を前提にした対話を主張している。グスマン氏は米国の「最後通牒」のような姿勢を拒否し、あくまで対等な関係での協議を求める姿勢を強調した。
また、長年の懸案である資産補償問題も交渉の重要な論点となっている。キューバ革命後に接収された米国人資産の補償について、米国は解決を求めているが、キューバ側は制裁解除と切り離せない問題だと位置づけている。つまり、経済制裁の継続下で一方的な譲歩は行わないという立場である。
背景にはトランプ政権による強硬な対キューバ政策がある。トランプ(Donald Trump)大統領は制裁を強化するとともに、改革が進まない場合にはさらなる圧力や介入の可能性にも言及するなど、両国関係は再び緊張を高めている。こうした圧力の中で、キューバは対話の意思を示しつつも、体制の根幹に関わる要求には応じない姿勢を崩していない。
一方で、キューバ政府は最近、数千人規模の受刑者釈放を発表しているものの、その多くは一般犯罪者であり、政治犯が含まれているかは分かっていない。政府はそもそも政治犯の存在自体を認めておらず、反体制活動で拘束された人々も刑事犯罪者として扱っている。この点も、米国や人権団体との認識の隔たりを広げる要因となっている。
今回の発言は交渉が進展する可能性を残しつつも、その限界を浮き彫りにするものといえる。キューバは経済危機の打開に向けて制裁解除を強く求めているが、政治体制に関わる譲歩には慎重で、米側との溝は深い。両国の対話は再開されたものの、実質的な関係改善に至るかは不透明な状況だ。
