国連IPC報告「ガザ地区の市民3分の2以上が深刻な飢餓状態に直面する可能性」
IPCは報告書の中で、2026年4月中旬から6月にかけて、約120万人が「危機的」以上の食料不足に陥ったと指摘した。
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10以上の国連機関、政府、援助団体などが参加する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」は23日、パレスチナ・ガザ地区で食料事情に一時的な改善がみられるものの、年末までに住民の3分の2以上が深刻な飢餓状態に直面する可能性があるとの報告書を公表した。それによると、人道支援の縮小や生活基盤の破壊が続けば、飢餓リスクは再び高まると警告している。
IPCは報告書の中で、2026年4月中旬から6月にかけて、約120万人が「危機的」以上の食料不足に陥ったと指摘した。これは人口の約59%に相当する。
さらに状況が悪化すれば、12月までに約140万人、人口の67%が深刻な食料不足に直面すると予測している。多くの家庭が十分な食事を確保できず、物乞いや食料を探し回ることで生き延びようとする人も増えているという。
ガザの食料事情は2025年10月のイスラエルとイスラム組織ハマスによる停戦後、一時的な改善を見せた。停戦によって人道支援物資の搬入や栄養支援活動が拡大し、飢餓状況は緩和された。しかし、その後の支援量減少や物資不足によって改善は失われつつある。妊婦や授乳中の女性を対象とする食事支援プログラムも規模が縮小され、支援対象者は1万2000人から6000人に半減した。
また、食料不足だけでなく、水や衛生環境の悪化も人道危機を深刻化させている。一連の戦闘によって公共インフラが壊滅し、安全な飲料水や衛生設備へのアクセスが難しくなっている。支援団体は栄養不足による子どもの健康被害や感染症の拡大にも懸念を示している。
一方、イスラエルはIPCの分析結果に異議を唱えている。イスラエル政府は十分な量の支援物資がガザに搬入されていると主張し、問題は物資の不足ではなく、ハマスによる支援物資の流用や分配体制にあると批判してきた。これに対し、人道支援団体は、必要な量と種類の食料を安定的に届けるためには、継続的な支援アクセスの確保が不可欠だとしている。
ガザでは2023年10月に始まった戦闘以降、多数の住民が避難を余儀なくされ、食料生産や流通の基盤も大きく損なわれた。今回の報告は、停戦や支援拡大によって一時的な改善があっても、政治的な安定や十分な人道支援体制が確立されなければ、食料危機が再び深刻化する可能性を示している。
国際社会には、支援物資の安定供給と民間人の生活再建に向けた取り組みが求められている。
