◎NATOは今週、セルビア系住民が多数派を占める地域で緊張が高まっているとして、700人の部隊を派遣すると発表した。
コソボとセルビアの国境近く、NATOの平和維持部隊(Sabine Siebold/ロイター通信)

トルコ国防省は3日、NATOの要請を受け、コソボ北部に追加の平和維持部隊を派遣すると発表した。

この要請はNATOのナポリ統合軍司令部からのものであり、同省は公式ツイッターに声明を投稿。「追加派遣する大隊は予備部隊としてKFOR(NATO平和維持部隊)のミッションに参加する」と表明した。

AP通信は同省関係者の話しとして、「追加部隊の規模は約500人」と報じている。

NATOは今週、セルビア系住民が多数派を占める地域で緊張が高まっているとして、700人の部隊を派遣すると発表した。

KFORはトルコ軍の兵士約350人を含む約3800人の部隊で構成されている。

5月26日には暴徒化したセルビア系住民がKFORに火炎瓶などを投げつけ、イタリア兵11人、ハンガリー兵19人が重軽傷を負った。

コソボ北部のセルビア系住民は最近行われた地方選挙をボイコットし、その結果、アルバニア人市長が誕生した。

セルビア系住民は先週、アルバニア人市長の就任を阻止するために自治体事務所を襲撃、占拠しようとし、暴力に発展。KFORと衝突した。

トルコ外務省は声明の中で、「我々は地域の安全と安定を危険にさらすコソボ北部の問題を解決するため、自制と対話を促す」と述べている。追加部隊は4日に現地入りする予定だ。

コソボは2008年にセルビアからの独立を宣言。西側諸国の大半はこれを承認したが、セルビアやその同盟国であるロシアと中国は認めていない。

コソボ紛争(1998~99年)の死者数は1万3千人と推定されている。セルビア軍によるアルバニア系住民の虐殺は国際的な批判を引き起こし、NATOが紛争を終わらせるためにセルビアを空爆した。

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