焦るトランプ政権、イランへの軍事的圧力強化、同じ失敗を繰り返す可能性も
トランプ氏はイランの発電施設や原油積み出し基地であるカーグ島への攻撃も示唆している。
.jpg)
トランプ(Donald Trump)米大統領がイランに対する軍事的圧力を一段と強める中、専門家の間では、第1次トランプ政権が推進した「最大限の圧力」政策の失敗を繰り返す恐れがあるとの見方が広がっている。イランに核開発の制限や地域での軍事的影響力の縮小を迫る狙いがある一方、明確な外交戦略や出口戦略を欠いたまま軍事行動を拡大すれば、かえって地域情勢を不安定化させる可能性があるとの指摘が出ている。
米国はこの数日、イラン国内への空爆を拡大するとともに、エネルギーインフラへの攻撃にも言及している。トランプ氏はイランが核問題で譲歩し、世界の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡への影響力を放棄するよう求めているが、イラン側は強く反発している。双方の報復攻撃が続く中、中東情勢は緊迫の度合いを増し、国際的なエネルギー市場にも影響を及ぼしている。
さらにイランは、米国が攻撃対象を発電施設や石油関連インフラに拡大した場合、イエメンの親イラン武装組織フーシ派を通じて紅海の要衝バブ・エル・マンデブ海峡を閉鎖する可能性があると警告している。すでにホルムズ海峡周辺では商船の航行に支障が生じており、物流やエネルギー供給への懸念が高まる中、新たな海峡遮断は世界経済への打撃をさらに拡大させる恐れがある。
トランプ氏はイランの発電施設や原油積み出し基地であるカーグ島への攻撃も示唆している。しかし、専門家はこうしたインフラへの攻撃はイラン側の報復を一層激化させる可能性が高く、軍事的成果以上に政治的・経済的リスクが大きすぎると分析する。イランが譲歩する兆しは乏しく、軍事的圧力だけでは核開発や地域戦略の変更を引き出すことは困難との見方が強い。
また、今回の強硬姿勢は米国内の政治にも影響を及ぼしている。軍事衝突の長期化による財政負担や原油価格の上昇に対する懸念から、トランプ政権の支持率は低下傾向にあり、11月の中間選挙を控えた政権運営にも影響を与えかねない状況だ。
一方で、トランプ氏はイランが拘束していた米国人を解放したことを「善意の表れ」と評価し、外交交渉の余地が残されているとの認識も示している。ただし、軍事的圧力と対話を並行して進める現在の政策が成果を上げられるかは不透明であり、中東情勢の安定化には包括的な外交戦略が不可欠との指摘が相次いでいる。
.jpg)
