トランプ氏「イランとの交渉、最終段階にある」再攻撃にも言及
米国とイランはこの数週間、パキスタンやオマーンなどを仲介役としてイランとの協議を続けている。
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トランプ(Donald Trump)米大統領は20日、イランとの交渉が「最終段階に入っている」と述べ、核開発問題や中東情勢を巡る合意成立に期待感を示した。一方で、合意に至らなければ再び軍事攻撃を行うと示唆しており、中東情勢は依然として予断を許さない状況が続いている。
トランプ氏は沿岸警備隊士官学校での演説やホワイトハウスでの記者会見で、「イランとの交渉は終盤に近づいている」と説明した。その上で、「取引が成立しなければ、さらに強力な攻撃を加える必要があるかもしれない」と発言し、外交と軍事圧力を並行させる姿勢を鮮明にした。
米国とイランはこの数週間、パキスタンやオマーンなどを仲介役としてイランとの協議を続けている。ロイター通信によると、イラン側は新たな和平提案を米国へ送付し、ホルムズ海峡の航行再開や一部制裁緩和を含む内容が話し合われているという。トランプ氏は今週初め、予定されていた対イラン攻撃を直前で見送り、「非常に良い合意を結べる可能性がある」と述べていた。
今回の交渉の焦点はイランの核開発計画と地域の軍事活動である。米国はイランが核兵器を保有しないことを保証する厳格な枠組みを要求している。一方、イラン側は経済制裁解除や中東地域からの米軍撤退を求めており、双方の立場には大きな隔たりがある。
緊張が続く背景には、2月末以降の米・イスラエルによる対イラン軍事作戦がある。米軍はイランの軍事施設や港湾設備への攻撃を実施し、イランもミサイルや無人機で応酬した。さらにイランは世界の石油輸送の要衝であるホルムズ海峡の通航制限を強化し、世界経済への影響が広がっている。
ロイターによると、最近ではホルムズ海峡を通過するタンカーの往来が徐々に回復しているものの、依然として通常水準を大きく下回っている。市場では交渉決裂によって再び軍事衝突が激化すれば、原油価格が急騰するとの懸念が強い。実際、トランプ氏が「交渉進展」を発言した20日には、原油価格が一時4%近く下落した。
バンス(JD Vance)副大統領は20日、「米国は依然として“いつでも攻撃可能な状態”にある」と述べ、必要なら軍事行動を再開する用意があると強調した。これに対しイラン側は「新たな侵略があれば、戦争は中東全域を超えて拡大する」と警告している。
トランプ政権は外交的解決を模索しつつも、「力による抑止」を前面に押し出している。だが、双方の要求は依然として平行線をたどっており、最終合意へ至るかどうかは不透明である。交渉が失敗すれば、中東情勢は再び大規模衝突へ逆戻りする可能性もあり、国際社会は緊張感をもって推移を見守っている。
