コロンビアの左翼ゲリラELN、大統領選に合わせて3日間停戦
ELNは1964年に結成されたマルクス主義系ゲリラ組織で、石油施設への攻撃や誘拐、麻薬密輸への関与などを通じて資金を調達してきた。
の戦闘員(Getty-Images).jpg)
南米コロンビアの左翼ゲリラ組織「民族解放軍(ELN)」は20日、5月31日の大統領選挙に合わせて3日間の停戦を実施すると発表した。停戦期間は29日から31日までで、選挙活動や投票の安全確保を目的としている。長年にわたり武装闘争を続けてきたELNによる今回の措置は、和平交渉再開への期待を高める一方、依然として国内治安への懸念も残している。
ELNは声明で「民主的な参加を保障し、国民が自由に投票できる環境を守るため停戦を決定した」と説明した。停戦期間中は国軍への攻撃や破壊活動、移動制限などを停止するとしている。これに対し中央政府は歓迎姿勢を示し、「平和的な選挙実施に向けた前向きな一歩だ」と評価した。
今回の選挙は左派のペトロ政権の路線継承か、安全保障重視への転換かを問う重要な選挙と位置付けられている。農村部や国境地帯では依然としてゲリラや麻薬カルテルの影響力が強く、過去の選挙では候補者への脅迫や投票妨害が問題となってきた。
ELNは1964年に結成されたマルクス主義系ゲリラ組織で、石油施設への攻撃や誘拐、麻薬密輸への関与などを通じて資金を調達してきた。最大勢力だったコロンビア革命軍(FARC)が2016年に政府と和平合意を結んだ後、ELNは国内最大の反政府ゲリラとなった。現在は6000人規模の戦闘員を抱えるとされ、ベネズエラ国境地帯を中心に活動している。
政府とELNは近年、キューバやメキシコ、ベネズエラなどを仲介役として断続的に和平交渉を行ってきた。2023年には一時的な停戦合意も成立したが、その後、ELNによる襲撃事件や誘拐の継続を理由に協議は停滞していた。特に北部カタトゥンボではELNと麻薬カルテルとの衝突が続き、多数の住民が避難を余儀なくされている。
一方で、今回の停戦が本格的な和平進展につながるかについては慎重な見方も多い。過去にもELNは選挙期間中の一時停戦を宣言したことがあるが、その後すぐに武力衝突へ戻った経緯があるためだ。また、組織内部には強硬派も存在するとされ、指導部の命令が末端まで徹底されるか不透明との指摘もある。
コロンビアでは半世紀以上に及ぶ内戦で約45万人が死亡、数百万人が避難民となった。政府は「完全和平」を掲げて武装勢力との対話を進めているものの、治安悪化への不満も強い。今回の停戦は選挙の平穏な実施に向けた一定の前進と受け止められているものの、持続的な和平への道のりは険しい。
