◎パキスタンのタリバン運動(TTP)とアフガンのタリバンは別組織で同盟関係にある。
2008年11月10日/パキスタンとアフガニスタンの国境付近、パキスタンのタリバン運動の戦闘員(Getty Images/AFP通信)

パキスタンのイスラム過激派組織「パキスタンのタリバン運動(TTP)」は2日、アフガニスタンのタリバンが主催した部族長会議の記者会見で、「パキスタン政府との停戦を無期限延長することに合意した」と発表した。

TTPの報道官によると、この決定は50人の長老による協議の末、決まったという。

報道官は会議の詳細を説明せず、パキスタン政府も今のところ声明を発表していない。

TTPとアフガンのタリバンは別組織で同盟関係にある。パキスタン政府はTTPと15年近く戦っているが、紛争解決の目途は立っていない。

TTPは政府に拘束された戦闘員の解放や、TTPの支配地域とされる集落周辺におけるパキスタン軍の活動縮小などを求めている。

TTPの報道官は記者団に対し、「会議は終了しておらず、今後数日続く」と説明した。

アフガンのタリバンは声明を発表していないが、これまで通りパキスタン国内においては中立の立場を維持するものとみられる。

アフガンのタリバンもパキスタンのシャリフ(Shehbaz Sharif)首相にTTPと和平協定を結ぶよう働きかけている。

パキスタン政府とTTPが合意した休戦協定は5月30日に期限切れとなった。地元メディアによると、1日時点で戦闘が発生したという情報は寄せられていないという。

TTPはアフガンの険しい国境地帯に拠点を置き、パキスタンへの越境攻撃を繰り返している。

一方、パキスタン政府はTTPを解散させ、アフガンとパキスタン両国で活動するイスラム(ISIS)とTTPの関係を完全に断ち切りたいと望んでいる。

地元メディアによると、パキスタンの部族長たちは仲介役としてカブールに派遣されたという。パキスタンの憲法は反乱を起こしている組織との直接交渉を禁じている。

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