◎アフガンの国内避難民数は600万人以上と推定されている。
2021年8月14日/アフガニスタン、首都カブールの避難民キャンプ(Getty Images/AFP通信)

アフガニスタンを統治するタリバンが首都カブールのスラム街にある掘っ立て小屋やテントを取り壊し、解体に巻き込まれた子供2人が死亡した。ノルウェー難民評議会(NRC)が11日、明らかにした。

それによると、取り壊しは今週、カブールの郊外にある荒れ果てた地区内で行われ、280家族、約1700人が住まいを失ったという。

NRCは声明で、「この取り壊しに巻き込まれた4歳と15歳の子供が亡くなったという報告を受けた」と明らかにした。

死因は明らかにされておらず、タリバンの報道官は「撤去作業中に死傷者が出たという報告は受けていない」と主張している。

アフガンの国内避難民数は600万人以上と推定されている。

2021年8月のタリバンによる政権奪取と米国およびNATO軍の撤退後、同国の生活環境は劇的に悪化し、多くの市民が住まいを失った。

避難民の多くは国際社会の支援に頼り切っており、特に仕事を失った女性が厳しい生活を余儀なくされている。

NRCはタリバンに対し、避難所の強制撤去を直ちにやめ、国民の命と生活を保障するという国際法を遵守するよう求めた。

しかし、カブールのタリバン当局は強制撤去を否定し、「不法占拠された土地を整理しただけだ」と反論した。「我々は不法占拠された土地に建てられた小屋などを法に基づいて撤去しただけであり、死者が出たという人権団体の主張は真っ赤なウソです...」

旧アフガン政権の年度予算の80%が国際社会からの支援によるものであり、それは病院、学校、公共施設などの建設・整備などに充てられていた。

西側諸国は女性の基本的人権などを保障しないタリバン政権への支援を停止している。アフガンの経済はパンデミック、干ばつ、ロシアのウクライナ侵攻によるインフレの影響をもろに受け、絶望的なものになっている。

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