◎パキスタン政府は今月初め、同国に不法入国した移民(その多くがアフガン人)を取り締まり、国外に追放すると発表した。
パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州のトルカム国境検問所(Getty Images)

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は27日、パキスタン政府が不法入国者の取り締まりを開始して以来、帰国を余儀なくされるアフガン人が急増していると明らかにした。

パキスタン政府は今月初め、同国に不法入国した移民(その多くがアフガン人)を取り締まり、国外に追放すると発表した。

同国で生活するアフガン移民は170万人と推定されている。首相府は声明の中で、「取り締まりはアフガン人を対象としたものでなく、全ての国籍、全ての不法入国・滞在者が対象である」と強調していた。

同国のアフガンと国境を接する2州には強制送還センターが開設されている。

UNHCRは声明で、「パキスタンには200万人以上のアフガン市民が生活しており、そのうち少なくとも60万人は2021年のタリバン復権後に入国した」と述べ、パキスタン政府に強制送還を今すぐやめるよう要請した。

アフガンは深刻な人道危機に陥っており、特に女性・女児はタリバン暫定政権の弾圧によって就学・就労・不必要な外出を禁じられている。

国際移住機関(IOM)によると、10月3~15日の間に数万人のアフガン人がパキスタンを出国。その多くが逮捕されることを恐れて出国したという。

パキスタンは逮捕した不法入国者の基本的人権を尊重すると強調。「強制送還は段階的かつ秩序ある方法で行う」としている。

パキスタンのアフガン国境付近では過激派によるテロ攻撃が相次いでいる。両国は約2600キロの国境を共有。パキスタン政府はタリバンが過激派の取り締まりを意図的にやめたり、パキスタンでテロ攻撃を行った過激派を匿っていると非難している。

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