米イラン間の緊張再燃、原油価格が急騰、揺らぐ停戦合意
発端となったのは、イラン側が「米軍が停戦合意を破った」と主張したことだった。
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中東情勢の緊迫化を受け、国際原油価格が7日、再び急騰した。米国とイランの間で停戦合意が揺らぎ、双方が互いに攻撃を非難する事態となったことで、市場では原油供給への懸念が急速に強まっている。7日の取引ではWTI先物が一時3%近く上昇し、1バレル=97ドル台を記録した。前日には停戦期待から下落していたが、情勢悪化によって再び買い戻しが進んだ。
発端となったのは、イラン側が「米軍が停戦合意を破った」と主張したことだった。イランは米国がホルムズ海峡付近でイランのタンカーや民間地域を攻撃したと非難し、国営メディアを通じて強く反発した。一方、米側はイランによる米艦船への攻撃に対する「自衛措置」だったと説明しており、双方の主張は真っ向から対立している。
ホルムズ海峡は世界の海上石油輸送の2割が通過する戦略的要衝であり、市場は同海峡の封鎖や航行障害に極めて敏感だ。この2カ月、米国とイランの軍事衝突によってタンカー攻撃や港湾施設へのドローン攻撃が相次ぎ、エネルギー供給不安が拡大している。今月初めにはイランがアラブ首長国連邦(UAE)の石油港湾施設を攻撃し、原油価格が一日で約6%急騰する場面もあった。
ただ、市場では依然として外交的解決への期待も残っている。ロイター通信によると、米国とイランは現在、全面和平ではなく「短期的な停戦枠組み」に関する協議を進めている。パキスタンなど第三国を通じた仲介案も浮上し、実現すればホルムズ海峡の航行正常化につながる可能性がある。数日前には、停戦協議進展の報道を受けて原油価格が急落し、世界株式市場が上昇する場面もあった。
しかし、現時点で情勢は不安定だ。市場関係者の間では、「停戦合意が成立しても長続きしない」との見方も根強い。実際、4月上旬に成立した停戦は形骸化し、小規模衝突が全面対立へ発展するリスクが指摘されている。原油市場はわずかな軍事行動にも敏感に反応し、価格変動が激しさを増している。
原油高は世界経済に深刻な影響を与えている。国際通貨基金(IMF)は原油価格が1バレル=110ドルを超える水準で長期化した場合、世界経済の成長率が大きく下振れする可能性があると警告している。特にエネルギー輸入依存度の高い欧州やアジア諸国では、インフレ再燃や景気減速への警戒感が強まっている。
また、原油価格の乱高下は金融市場にも波及している。安全資産とされる金価格が上昇し、株式市場ではエネルギー関連銘柄に買いが集まる一方、航空や物流関連株には売り圧力が強まっている。市場は今後の米・イラン交渉の行方を注視しており、停戦が維持されるかどうかが世界経済の焦点となっている。
