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イスラエル首相、制裁回避へ暗号資産活用を提案、中央銀行や経済学者が一斉批判

ネタニヤフ氏は10月24日、地元メディアのインタビューで、国際社会による制裁、とりわけ銀行を対象とした措置が導入される可能性に言及した。
暗号通貨ビットコイントークン(Rick Bowmer/AP通信)

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が、国際的な経済制裁に備え、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン技術を活用して制裁の影響を回避する構想を示し、国内で批判が広がっている。中央銀行や経済学者、野党政治家らは、国際経済からの孤立を深め、国内経済と国家安全保障に深刻な打撃を与えかねないと警告している。

ネタニヤフ氏は10月24日、地元メディアのインタビューで、国際社会による制裁、とりわけ銀行を対象とした措置が導入される可能性に言及した。そのうえで、制裁の影響を避けるための代替的な経済システムを整備する必要があると主張。暗号資産の活用を問われると肯定し、ブロックチェーン技術も選択肢になるとの考えを示した。

背景には、イスラエルの入植政策を巡る国際的な反発がある。英国、フランス、カナダは9月、ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地からの輸入を制限する方針を表明した。制裁対象が拡大すれば、イスラエルの金融機関や企業が国際取引で不利益を受ける懸念がある。

イスラエル銀行(中銀)はネタニヤフ氏の構想に異議を唱え、暗号資産は制裁を回避する手段にならないと指摘。主要な貿易相手国との経済関係を維持し、制裁そのものを防ぐ政策に注力すべきとの立場を示した。

さらに、元中銀関係者やノーベル賞受賞者を含む100人超の経済学者が、構想への懸念を表明する書簡に署名した。制裁が強化されれば、失業の増加や外国投資の減少を招き、国民の生活水準が大幅に低下する恐れがあると警告。国防費の確保にも悪影響が及ぶ可能性を指摘した。

議会選挙におけるネタニヤフ氏の主要な対抗馬であるアイゼンコット(Gadi Eisenkot)氏も、暗号資産を制裁回避に利用する構想を「狂気」と批判した。企業の国外流出や国家安全保障への悪影響を懸念している。

選挙を目前に控え、与党と野党陣営のいずれも過半数を確保できない可能性が示されている。経済制裁への備えを巡る論争は外交政策だけでなく、政権の経済運営能力を問う選挙戦の争点にもなっている。

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