イスラエル首相、右派結集を急ぐ、10月総選挙での敗北回避へ
ネタニヤフ氏への逆風は、右派内部の分裂だけではない。
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イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が10月27日に行われる総選挙を前に、分裂する右派勢力の結集を急いでいる。世論調査では、ネタニヤフ氏率いる連立政権が敗北する可能性が示されており、9月8日の候補者名簿提出期限を前に、ネタニヤフ氏は小規模政党に候補者リストの統合を呼びかけている。ネタニヤフ氏にとっては、過去最多となる7期目の政権維持を懸けた重要な局面となっている。
イスラエル議会(クネセト)は120議席で、単独過半数を獲得した政党はこれまで存在せず、複数政党による連立政権が基本となっている。一方、議席を得るには得票率3.25%以上が必要で、小規模政党がこの基準を下回れば、その政党に投じられた票は議席獲得につながらない。このため右派政党が乱立すれば、保守票が分散し、ネタニヤフ氏の連立勢力全体が議席を失う可能性がある。
世論調査では、ネタニヤフ氏の与党・リクードが3分の1議席を減らし、20~23議席程度となる可能性が示されている。それでも最大政党の座を維持する可能性はあるが、極右政党・ユダヤの家や宗教シオニズムなど、連立を支える政党の議席確保が政権維持の鍵となる。宗教シオニズムは9月1日、他の小規模政党と候補者リストを統合した。
しかし、ベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)治安相が率いるユダヤの家は、宗教シオニズムとの統合に難色を示している。さらに、別の右派政党も独自に候補を擁立する方針を示しており、右派票の分散が懸念されている。
ネタニヤフ氏への逆風は、右派内部の分裂だけではない。2023年10月7日のハマスによる奇襲攻撃を防げなかった安全保障上の失敗や、その後のガザ、イラン、レバノンをめぐる戦争を受け、首相への批判が強まっている。さらに、超正統派ユダヤ教徒の兵役免除をめぐる譲歩も、従来の支持層の一部を離反させる要因となっている。
現在、最大の対抗馬とみられているのは元軍参謀総長のアイゼンコット(Gadi Eisenkot)氏で、同氏の政党「ヤシャル」は世論調査でリクードに並ぶか、上回る勢いを見せている。
長年イスラエル政界を支配してきたネタニヤフ氏は右派をまとめられるかどうかが、7期目の政権獲得を左右する正念場を迎えている。
