SHARE:

イスラエル、ガザ地区の支配地域拡大へ、ネタニヤフ首相が軍に指示

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘は2025年10月に米国仲介の停戦合意が成立した後も断続的に続いている。
パレスチナ自治区、ガザ地区南部の通り(Getty Images)

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は28日、軍に対しパレスチナ・ガザ地区の支配地域を全体の70%まで拡大するよう指示した。イスラエル軍はこれまでにガザ地区の約64%を掌握しているとされるが、今回の指示により軍事作戦はさらに拡大する見通しとなった。

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘は2025年10月に米国仲介の停戦合意が成立した後も断続的に続いている。停戦合意では、イスラエル側が管理する区域を「イエローライン」としてガザ地区面積の約53%に限定する内容が含まれていた。しかし、イスラエル軍はその後も作戦範囲を広げ、実効支配地域を拡大してきた。

ネタニヤフ氏は記者会見で、ガザの支配区域について「イスラエル市民を守るための安全地帯だ」と説明した。2023年10月にハマスがイスラエル南部を襲撃したことを踏まえ、武装勢力の侵入を防ぐ狙いがあるとしている。また、軍はガザ南部や中部で地上作戦を強化し、境界線や軍事回廊の整備を進めているという。

一方、パレスチナ側や国際社会からは、イスラエルが恒久的な占領を進めているとの批判が強まっている。国連や人権団体は軍事作戦の拡大によって住民避難がさらに進み、人道危機が深刻化すると警告している。ガザ地区では空爆や砲撃により7万2000人以上が死亡し、医療機関や生活インフラの損壊も深刻な状況が続く。

停戦交渉は難航している。イスラエル側はハマスの武装解除とガザからの撤退を要求しているのに対し、ハマスは恒久停戦とイスラエル軍の全面撤退を求めており、双方の立場の隔たりは大きい。今回の支配地域拡大方針により、中東情勢はさらに緊迫する可能性がある。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします