◎東エルサレムとヨルダン川西岸地区ではイスラエル軍とパレスチナ人武装勢力による暴力の応酬が続いている。
2023年2月10日/東エルサレム、歩行者をはねた車とバス停(Mahmoud Illean/AP通信)

イスラエル警察は10日、東エルサレムのバス停にパレスチナ人が運転する車が突っ込み、2人が死亡、5人が負傷したと発表した。

地元警察によると、容疑者はその場で射殺されたという。

事件は東エルサレムのユダヤ人居住区内で発生した。警察によると、死亡した2人のうち1人は6歳児だという。

東エルサレムとヨルダン川西岸地区ではイスラエル軍とパレスチナ人武装勢力による暴力の応酬が続いている。東エルサレムのシナゴーグ前で先月27日に発生した銃乱射事件ではイスラエル市民7人が死亡した。

報道によると、死亡したのは6歳の少年と20代の男性。負傷した5人のうち1人は重体で、医療機関に搬送され治療中と報告されている。

残り4人は10~40代で、ケガの程度は中から重傷。警察の報道官は目撃者の話を引用し、「容疑者はバス停に突っ込むタイミングを伺っていた」と説明した。

事故を偶然目撃し負傷者の救助に当たった救助隊員の男性はAP通信の取材に対し、「私と妻は車が猛スピードでバス停に突っ込み、歩行者を吹き飛ばすところを見ました」と語った。

警察は「非番の刑事」が容疑者を射殺したと報告。車を運転していたのは東エルサレム出身のパレスチナ人男性だという。

パレスチナのメディアは32歳のパレスチナ人が事件が起こしたと報じている。

超国家主義政党「ユダヤの家」の党首であるベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)治安相は10日、容疑者の住宅周辺に検問所を設置し、全ての車両をチェックするよう命じた。

グヴィル氏は記者団に対し、「私はテロリストが生活する地域を封鎖したかったが、司法システムに問題があり、実施できなかった」と語った。

ヘルツォグ(Isaac Herzog)大統領は犠牲者と遺族に哀悼の意を表した。

ガザ地区を実行支配するイスラム過激派組織ハマスとイスラム聖戦は攻撃を称賛する一方、犯行に関与したとは言及しなかった。

イスラエル国防省は攻撃を非難し、加害者とその家族を含む東エルサレムのパレスチナ人87人に金融制裁を科すと発表した。

また同省はイスラエル軍・警察が拘束したパレスチナ人受刑者・容疑者の資産および、パレスチナ自治政府が紛争で死亡した市民の遺族向けに積み立てている見舞金口座も差し押さえるよう命じた。

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