◎東エルサレムは1948年の第一次中東戦争後にヨルダンの管理下に置かれたが、1968年以降は東西ともイスラエルが事実上支配している。
2022年5月29日/東エルサレムのアルアクサ・モスク近く(Ariel Schalit/AP通信)

イスラエル警察は31日、東エルサレムの係争地で警察官に襲いかかった男を射殺したと発表した。

警察によると、男は26歳。イスラエル南部出身のアラブ人だという。

事件はイスラム教の聖地アルアクサ・モスクの敷地近くで発生した。

警察によると、現場で警備に当たっていた警察官が男を呼び止め、乱闘になったという。

ソーシャルメディアで共有された映像には、警察官が男を撃った後、機動隊員がモスクやそこに通じる路地に大挙して押し寄せるところが映っていた。

アルアクサ・モスク周辺にはイスラム教の断食月「ラマダン」に合わせて多くの教徒が集まっていた。

地元メディアによると、アルアクサ・モスクで31日に行われた礼拝には20万人以上のパレスチナ人が参列したという。モスク内でイスラエル警察とパレスチナ人の衝突は発生しなかった。

アルアクサ・モスクはイスラエルとパレスチナの緊張の震源地であり、ここで発生した衝突がイスラエル軍とガザ地区を実行支配するイスラム過激派組織ハマスの紛争に何度も発展している。

ヨルダン川西岸地区における今年の暴力事件数はここ数年で最悪となっている。

イスラエル軍は昨年春にイスラエル人が相次いで殺害されたことを受け、西岸地区の取り締まりを強化した。

今年西岸地区でイスラエルの治安当局に殺害されたパレスチナ人は86人。東エルサレムと西岸地区で今年殺害されたイスラエル人は15人となっている。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、アルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領した。

イスラエルは東側の旧市街を含むエルサレム全体を首都とみなしているが、国際社会はこれを認めていない。

パレスチナ自治政府はエルサレムを首都とする独立国家の建設を目指している。

東エルサレムは1948年の第一次中東戦争後にヨルダンの管理下に置かれたが、1968年以降は東西ともイスラエルが事実上支配している。

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