◎現地メディアによると、イスラエル軍はイスラム過激派組織ハマスの戦闘員を数週間追跡し、差し迫った脅威に対処するために襲撃作戦を決行したという。
2021年9月26日/イスラエル、エルサレムの政府庁舎、ナフタリ・ベネット首相(Getty Images/AFP通信)

9月26日、イスラエル軍は占領下のヨルダン川西岸地区でイスラム過激派組織ハマスの戦闘員と交戦し、5人を射殺した。

現地メディアによると、イスラエル軍はハマスの戦闘員を数週間追跡し、差し迫った脅威に対処するために襲撃作戦を決行したという。

ナフタリ・ベネット首相は26日の記者会見で、ハマスはイスラエルに対する攻撃を実行しようとしていたと述べ、軍を称賛した。「兵士たちは敵と交戦し、期待通りの結果を出しました」

ベネット首相によると、兵士2人が重傷を負った可能性があるという。

パレスチナの保健省はヨルダン川西岸地区の都市ジェニンの近くで2人、エルサレムの北に位置するビドゥで3人が射殺されたと述べた。

現地メディアによると、ハマスはビドゥで死亡した3人とジェニンの1人が戦闘員であることを認めたという。もうひとりの16歳の少年がハマスの戦闘員かどうかは分かっていない。

パレスチナ自治政府はイスラエル軍の攻撃を非難し、「イスラエル政府は占領軍によるこの血生臭い犯罪に対する全責任を負っている」と述べた。

しかし、ハマス当局はイスラエル政府と安全保障調整を維持しているパレスチナ自治政府を批判した。

ハマスのアブドゥラティフ・アルカノウ報道官は声明で、「パレスチナのマフムード・アッバース大統領はイスラエル当局者との最近の会合で抵抗を追求せず、占領を奨励した」と述べた。

アルカノウ報道官は殺害された5人を英雄と称賛し、占領下のパレスチナ人たちに敵に危害を加える抵抗・戦術・手段を考案するよう呼びかけた。

一方、イスラエルはパレスチナ解放人民戦線(PFLP)の上級指導者であるハリダ・ジャラール氏を26日に釈放した。

イスラエルと西側諸国はPFLPをテロリストグループに指定しているが、ジャラール氏は過去のテロ攻撃に直接関与していなかった。同氏は今年3月に懲役2年を言い渡されたが、それ以前に拘留されていた期間が考慮され、解放された。

ヨルダン川西岸ではここ数カ月暴力が散発的に発生しており、イスラエル軍とデモ隊の衝突などにより20人以上が死亡した。

ヨルダン川西岸とガザ地区のパレスチナ人は先月、イスラエルの刑務所から脱獄した囚人6人を英雄と呼び、6人の逃亡を支援するデモを各地で開催していた。しかし、イスラエル当局は先週、囚人2人を拘束し、6人全員を刑務所に送り返した。

イスラエル軍は先月、ハマスの拠点のひとつであるジェニンで過激な思想を持つパレスチナ人武装勢力と衝突し、4人を殺害した。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区(東エルサレム含む)、およびゴラン高原を占領したが、国際社会はこれを認めていない。

聖地エルサレムを奪われた数百万人のパレスチナ人はガザ地区とヨルダン川西岸地区に押し込められ、みじめな生活を送っている。

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