◎地元メディアは総選挙の日程を10月下旬と報じている。
2022年6月20日/イスラエル、エルサレムの政府庁舎、ベネット首相(右)と次期首相のラピド外相(ロイター通信)

イスラエルのベネット(Naftali Bennett)首相は20日、連立を組むイェシュアティド党と来週の国会解散で合意したと発表した。

イェシュアティド党のラピド(Yair Lapid)外相が近日中に暫定首相に就任し、この4年で5回目の総選挙に臨むことになる。

地元メディアは総選挙の日程を10月下旬と報じている。

前首相で最大政党リクードを率いるネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)氏は政権奪取を誓った。

<連立政権>
・イェシュアティド党:17議席
・青と白:8議席
・労働党:7議席
・イスラエル我が家:7議席
・ヤミナ:7議席(一部離党
・新しい希望:6議席
・メレツ:6議席
・ラーム:4議席(アラブ派閥)
計62議席

<野党>
・リクード:30議席
・シャス:9議席
・トーラー・ユダヤ連合:7議席
・宗教シオニズム:6議席
・合同リスト:6議席
計58議席

イスラエルの歴史上最も多様な連立政権は、数週間前から崩壊の危機に瀕していた。

ベネット氏率いる極右ヤミナの一部議員が連立を離脱した結果、ベネット氏は過半数を失い、窮地に追い込まれた。

ベネット政権はヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植者をイスラエル法の適用対象とする法案の成立を目指していたが、アラブ派閥のラームはこれを拒否した。

超国家主義者のヤミナ議員はラームの決定に反発し、「ベネット政権はイスラエル人の気分を高揚させるという重要な使命を果たせなかった」と主張し離党。他の超国家主義者も反乱を起こすと脅迫していた。

ベネット氏は記者団に対し、「イスラエルの安全保障のために正しい決断をした」と語った。

タイムズ・オブ・イスラエル紙は政府高官の発言を引用し、「20日の解散発表は青天の霹靂(へきれき)」と報じた。内相と国防相も解散を知らされていなかったと伝えられている。

解散要求決議案は来週採決され、可決される見通し。その後、ベネット氏はラピド外相を暫定首相に任命する。ふたりは昨年の連立交渉で1年後に首相を交代することで合意していた。

ベネット政権はネタニヤフ氏を打倒するという願望だけで結ばれていた。アラブ政党と極右政党の政策は大きく異なる。

汚職容疑で裁判にかけられているネタニヤフ氏は20日、「素晴らしいニュースだ」とツイートした。「リクードは帰ってきます。そして幅広い、国民(ユダヤ人)に寄り添った政府を形成するでしょう...」

国営イスラエル放送局が先週公表した世論調査は、ネタニヤフ氏のリクードが候補を擁立する選挙区でほとんどの議席を確保するという見通しを示した。

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