◎報道によると、民間人が空爆に巻き込まれたという報告はなく、負傷者もいないとみられる。
2021年5月17日/パレスチナ、ガザ地区、イスラエル軍の空爆(Getty Images/AFP通信)

イスラエル軍は2日、イスラム過激派組織ハマスが実行支配するガザ地区を空爆したと発表した。

軍報道官によると、戦闘機はガザ地区のロケット製造工場と、ロケット製造に利用されている倉庫を空爆したという。

空爆の数時間前にはガザ地区からイスラエル南部に向けてロケット弾が発射され、イスラエル軍はこれを防空システム「アイアンドーム」で迎撃したと発表していた。

報道によると、民間人が空爆に巻き込まれたという報告はなく、負傷者もいないとみられる。

イスラエルのメディアは2日、パレスチナ人が昨年起こした殺傷事件の負傷者(75歳男性)が市内の医療機関で死亡したと報じた。

イスラエルではパレスチナ関連の事件が多発し、緊張が高まっている。ヨルダン川西岸地区の難民キャンプに対するイスラエル軍の取り締まりでパレスチナ人10人が死亡。その翌日に東エルサレムのシナゴーグ前でパレスチナ人が銃を乱射し、市民7人が死亡した。

ガザ地区から発射されたロケット弾の発射元は不明。地元メディアによると、犯行声明を出した組織はいないという。

ネタニヤフ政権で警察を取りまとめるベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)治安相はパレスチナ自治政府とテロ組織を非難し、イスラエル国内の刑務所に収容されているパレスチナ人受刑者の扱いをさらに厳しくすると誓った。

グヴィル氏は超国家主義政党「ユダヤの家」の党首であり、パレスチナ人武装勢力を根絶やしにすると宣言している。

グヴィル氏は1日、ガザ地区から発射されたロケット弾について、「いかなるテロ攻撃も政府の政策を阻止することはできない」と述べ、緊急の安全保障会議を召集した。

イスラエルの刑務所にはパレスチナ武装勢力の戦闘員や関係者数千人が収容されている。パレスチナ社会はこれらの受刑者を英雄と呼んでいる。

米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官は今週、イスラエルとパレスチナの緊張が高まっていることに深刻な懸念を示し、イスラエル政府による入植地拡大は認められないとくぎを刺したが、暴力が収まる気配は今のところみられない。

2021年5月11日/パレスチナ、ガザ地区、施設に身を寄せるパレスチナ人(Hatem Moussa/AP通信)
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