◎イスラエル警察はしばしばパレスチナ人に対して過剰な力を行使する。
2022年5月13日/イスラエル、エルサレム東部、アルジャジーラ記者の葬儀の会葬者とイスラエル警察(Maya Levin/AP通信)

イスラエル警察は14日、アルジャジーラ記者の葬儀中に発生した暴力について、現場で対応に当たった警察官の判断や行動に問題がなかったどうかを調査すると発表した。

アルジャジーラのジャーナリスト、シリーン・アブ・アクレ(Shireen Abu Aqleh)氏は今週、ヨルダン川西岸地区でイスラエル軍の急襲作戦を取材中に被弾し、死亡した。

アクレ氏の葬儀は13日にエルサレムで行われたが、棺が病院から運び出された際、イスラエル警察と会葬者が衝突し、30人以上が負傷した。

イスラエル警察は会葬者が石を投げつけたため取り締まったとしている。また、衝突中にパレスチナの武装勢力が発砲したと伝えられている。

パレスチナ自治政府はイスラエル警察を非難した。西側の主要国も衝突に懸念を表明している。

イスラエル警察は14日の声明で、警視総監の指示に基づき、数日以内に調査結果を公表するとした。

一方、公安相を含むイスラエルの政府高官は警察の対応を擁護した。

イスラエル警察はしばしばパレスチナ人に対して過剰な力を行使するが、調査も責任追及もされないことが多い。

葬儀中の暴力はパレスチナ人のイスラエルに対する怒りを増幅させた。両国ではここ数週間暴力事件が相次いでおり、テロや取り締まりで10人以上が死亡している。

アクレ氏は20年以上にわたったヨルダン川西岸地区を取材し、多くの住民から慕われていた。弔問客の多くはパレスチナの国旗を掲げていた。イスラエルは公共の場でパレスチナの国旗を掲げることを禁じている。

現地メディアによると、病院周辺に集まった数百人が「私たちはあなたに魂と血を捧げます」と叫んだ直後に衝突が発生したという。警察官は弔問客を警棒で叩き、蹴っ飛ばしたりした。

ある時点でスタングレネードが発射され、棺を持っていた人々も攻撃を受け、棺を落としそうになる場面もみられた。

米国のブリンケン国務長官は13日、「すべての家族は愛する人を尊厳ある方法で供養する権利を持っている」とツイートし、懸念を表明した。

国連安保理は葬儀中の暴力を非難する声明を全会一致で採択し、公正な調査を求めた。

パレスチナの検察当局は13日遅く、イスラエル軍がアクレ氏を故意に射殺したという初期調査結果を公表した。

イスラエル政府はパレスチナの主張を否定し、アクレ氏はパレスチナ武装勢力とイスラエル軍の銃撃戦に巻き込まれ死亡したとしている。また、アクレ氏に当たった銃弾がどちらのものであるかは特定できていないと報告した。

イスラエルはパレスチナ自治政府との共同調査を要求し、アクレに当たった銃弾を引き渡すよう求めている。しかし、パレスチナはこの要求を拒否し、独自調査を行ったうえで、その結果を国際刑事裁判所に送るとしている。

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