◎当局は喘息などの持病を持つ人に外出を控えるよう呼びかけている。
2022年5月4日/イラク、首都バグダッドの郊外(Sabah Arar/AFP通信/Getty Images)

イラクの国営メディアは5日、首都バグダッドなどで激しい砂嵐が発生し、少なくとも1人が死亡、5000人以上が病院に搬送されたと報じた。

イラク国営通信(INA)によると、砂嵐はこの1カ月で少なくとも7回発生し、数千人に影響を与えたという。

保健省はバグダッドだけで少なくとも2000人が呼吸器系の異常で病院に搬送されたと報告した。

当局は喘息などの持病を持つ人に外出を控えるよう呼びかけている。

先月の砂嵐ではバグダッドとシーア派の聖都ナジャフを結ぶ航空便が欠航し、数百人が病院に搬送された。

INAは保健省報道官の声明を引用し、「国内のすべての医療機関は警戒態勢にあり、呼吸器系の異常で搬送した患者の数は確定値ではない」と報じた。

INAによると、搬送された患者の多くは喘息や慢性疾患を持つ高齢者で、酸素吸入などの治療を受けたという。

西部の砂漠地帯アンバル州、南西部ナジャフ州でも大きな被害が出たと伝えられている。

砂嵐は主に夏場に発生し、シャマールと呼ばれる北西から吹き付ける強い風と関連していることが多い。ただし、西部の砂嵐は春に発生する。

環境省の担当者は先週、「イラクの砂嵐発生頻度は確実に増加しており、数十年先には1年間の大半を砂嵐の中で過ごすことになるかもしれない」と警告していた。

降水量の減少、干ばつ、砂漠化は砂嵐の発生を後押しすると考えられている。

イラクはここ数年、記録的な少雨に悩まされ、夏場の気温は50℃超えが当たり前になっている。

水資源省によると、イラクの主要な水源であるチグリス川とユーフラテス川は20年以内に枯渇する可能性があるという。

地球温暖化は地上の水分を蒸発させ、干ばつを悪化させている。

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