標的はシーア派イスラム政治組織ヒズボラの武器貯蔵施設

 13日、アメリカ国防総省は、イラク国内で活動するイラン武装組織への空爆を開始、計5か所の武器貯蔵施設を標的にしたと発表した。

 11日には、イランの武装組織が「タジ軍事基地(バグダッド)」へロケット弾による攻撃を行い、イギリス軍兵士、米軍兵士、米軍民間請負兵士の3人が死亡、12人以上が負傷している。同日、エスパー国防長官は、「トランプ大統領は対応方法を承認し、あらゆる選択肢が用意されている」と述べ、報復攻撃を示唆していた。

 空爆の標的になったのは、シーア派イスラム主義の政治組織「カタイブ・ヒズボラ」の武器貯蔵施設。有人航空機による「防御的な精密攻撃」を実施したとのこと。同施設には、アメリカおよびイラク国内で活動する連合軍を標的とする武器が貯蔵されていた。

 エスパー国防長官は今回の空爆攻撃に対し、「シーア派民兵グループがもたらすであろう脅威に対応するもの。米軍、連合軍、同盟国に対する攻撃は、いかなる理由があろうと容認しない。兵士たちを守るうえで、必要な措置である」と述べた。

 過去1年間に発生したイラク基地、米軍および連合軍への大規模攻撃は計13回。いずれもイランに支援された武装組織が実施したものであり、多くの死傷者を出した。それらへの報復として、アメリカは1月にイランの上級司令官「カセム・ソレイマニ」を殺害している

 イギリス国防総省は、タジ軍事基地への攻撃で死亡したイギリス軍兵士を特定。スコットランドおよび北アイルランドで予備役を務めた女性医療技術者「ブロディ・ギロン(26歳)」であると公表した。 

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