◎サレヒさんは反体制派を弾圧し、西側寄りの意見を取り締まるハメネイ指導部に度々反発し、何度も逮捕されている。
イランの反体制派ラッパーであるトゥーマジ・サレヒさん(Getty Images)

イラン中部イスファハンの地方裁判所が著名な反体制派であるラッパーのサレヒ(Toomaj Salehi)さんに死刑を言い渡した。現地メディアが24日に報じた。

サレヒさんは虚偽の情報を発信し、政府の名誉を著しく傷つけた罪などに問われていた。

地元の独立系オンラインサイトはサレヒさんの弁護士の声明を引用し、「地裁はサレヒさんに最も厳しい刑罰である死刑を言い渡した」と伝えている。

また弁護士は最高裁判所が以前、このようなケースは減刑の対象になると裁定したことに言及。イスファハン地裁の判決に異議を唱え、控訴する意向を示した。

サレヒさんは反体制派を弾圧し、西側寄りの意見を取り締まるハメネイ指導部に度々反発し、何度も逮捕されている。

サレヒさんの楽曲には指導部の犯罪に目をつむる治安部隊や、民主派勢力を意気揚々と弾圧する指導者たちを厳しく非難するものが含まれている。

人気曲のひとつである「The Mouse Hole(ネズミの穴)」では「彼ら(指導部)の悪行はすぐに罰せられるから、隠れる場所を探したほうがいい」と警告している。

サレヒさんは政府を非難する楽曲を発表したことで2021年に逮捕、釈放された後も活動を継続。指導部を非難する楽曲やミュージックビデオを発信し続けた。

2022年にはイスラム教のスカーフ(ヒジャブ)を着用しなかったとして警察官に殴り殺されたアミニ(Mahsa Amini)さんへの支持を表明。SNSなどで指導部を厳しく非難していた。

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