イラン政府、米中間選挙でのトランプ氏敗北を歓迎、対米強硬姿勢は崩さず軍事攻撃再開を警戒

イラン側には選挙結果を単純に歓迎できない事情もある。
イラン、首都テヘラン、星条旗を燃やす人々(Getty Images)

イラン政府は4日、米中間選挙でトランプ(Donald Trump)大統領率いる共和党が大敗したことを歓迎し、米国民がイランとの戦争に反対する意思を示したとの見解を表明した。一方、イランは米国による軍事攻撃の再開を警戒しており、外交交渉をめぐる緊張は続いている。

イランのガリバフ(Mohammad Bagher Ghalibaf)国会議長はX(旧ツイッター)への投稿で、「良心の問題であれ生活費の問題であれ、米国民は戦争にノーを突き付けた」と述べ、選挙結果を歓迎した。さらに、米政府が世論を無視してイランへの攻撃を再開すれば、深刻な結果を招くと警告した。

最高指導者モジタバ・ハメネイ(Mojtaba Khamenei)師も声明を発表し、米国の対イラン敵視政策は政権を担う政党が変わっても継続すると強調。米国への譲歩によって敵対関係を解消できると考えるのは重大な誤りだとし、強硬姿勢を維持する考えを示した。

今回の中間選挙では、民主党が上下両院で多数派を獲得する見通しとなった。トランプ政権によるイラン戦争や燃料価格の上昇、生活費の高騰に対する有権者の不満が、共和党の敗北につながったとみられる。イラン国営メディアは、トランプ氏がイランの体制転換に失敗した一方、テキサス州で民主党候補を勝利させたとの皮肉も紹介した。

ただし、イラン側には選挙結果を単純に歓迎できない事情もある。ロイター通信によると、イラン政府高官2人は、トランプ氏が選挙での政治的打撃を挽回するため、軍事攻撃に踏み切る可能性を懸念していると明らかにした。イランは警戒態勢を維持している。

米国とイスラエルは2月28日にイランへの攻撃を開始し、戦闘はレバノンやイエメンにも波及した。ホルムズ海峡の航行が大幅に制限され、米国によるイラン港湾への海上封鎖も続いている。原油・天然ガス価格の上昇など世界経済への影響も拡大している。

仲介国は停戦に向けた外交努力を強めているが、イランは米国が攻撃を再開した場合、より大規模な報復を行う構えを示しており、選挙後の米イラン関係は依然として予断を許さない。

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