イラン、新たな米制裁を「必死の措置」と批判、対立続く、外交による打開を模索
今回の制裁問題は米国が経済的圧力によってイランを譲歩させられるかという問題にとどまらない。
.jpg)
イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相は23日、米国が近く発表するとしている新たな対イラン制裁について、「必死になったトランプ政権による一方的な措置」と批判し、制裁は最終的に失敗すると主張した。米国とイランの対立が続く中、トランプ政権が軍事的圧力に加えて経済制裁を強化する構えを見せる一方、イラン指導部は圧力には屈しない姿勢を改めて示した形だ。
米国のベッセント(Scott Bessent)財務長官は先週、史上最も厳しい対イラン制裁を発動すると明らかにした。トランプ(Donald Trump)大統領もイランを支援する第三国に対して厳しい結果を警告しており、米国はイランを国際的に孤立させることで、核開発の制限やホルムズ海峡の航行正常化などを受け入れさせる狙いだ。
これに対しイラン側は、長年にわたって米国の制裁を受けてきた経験を踏まえ、新たな制裁によって政策を変更することはないとの立場を取っている。アラグチ氏は米国に対し、威圧ではなく尊重に基づく対話を求め、公正な解決策を見いだすための外交交渉が必要だと呼びかけた。ペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)大統領も外交による解決を支持している。
一方、制裁の影響はイラン国内で表面化している。戦争や貿易の混乱、インフレによって物価上昇が続き、首都テヘランの商店主らからは、さらなる経済制裁によって企業活動や市民生活が一段と厳しくなるとの懸念が出ている。
さらに重要なのがホルムズ海峡を巡る問題だ。イランによる海峡封鎖が続くことで世界の原油輸送に影響が生じ、原油価格や海運コストにも波及している。米国が経済制裁を強化し、イランが海峡を通じた圧力を維持すれば、両国の対立は単なる経済制裁の応酬を超え、世界経済にも深刻な影響を及ぼす可能性がある。
ただし、イラン国内でも経済的な負担を軽減するため、外交的な打開を求める動きが存在する。パキスタン軍のムニール(Asim Munir)陸軍参謀長が8月24日にテヘランを訪問し、和平と安全保障について仲介を進める予定となっている。米国とイランの双方が強硬姿勢を示す一方で、第三国を通じた外交努力が緊張緩和につながるかが注目される。
今回の制裁問題は米国が経済的圧力によってイランを譲歩させられるかという問題にとどまらない。イランが制裁への抵抗を続ければ米国はさらに圧力を強める可能性があり、その結果として中東情勢と世界のエネルギー市場が一段と不安定になる恐れがある。両国が軍事的対立の拡大を避け、実質的な外交交渉へ移行できるかが最大の焦点となる。
