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イラン外相「米国を信頼していない」交渉への姿勢を批判

核問題や中東情勢を巡る両国間の対立が続く中、停滞している米イラン交渉の行方に注目が集まっている。
イランのアラグチ外相(Getty Images/AFP通信)

イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相は15日、訪問先のインド・ニューデリーで記者団に対し、「イランは米国を全く信頼していない」と述べたうえで、米側が真剣に交渉へ取り組む姿勢を示した場合にのみ協議に応じる考えを示した。核問題や中東情勢を巡る両国間の対立が続く中、停滞している米イラン交渉の行方に注目が集まっている。

アラグチ氏は米国が対イラン政策で「矛盾したメッセージ」を送り続けていると批判。外交交渉を呼びかける一方で、制裁強化や軍事的圧力を維持している点を問題視し、「脅迫と交渉は両立しない」と強調した。イラン政府はこれまで一貫して、経済制裁の解除や軍事的威圧の停止が対話再開の前提条件だと主張している。

米国とイランを巡っては、2026年初めからオマーン仲介による間接協議が断続的に行われてきた。交渉では、イランのウラン濃縮活動や弾道ミサイル開発、地域武装勢力への支援停止などが主要議題となっている。しかし、双方の要求には大きな隔たりがあり、具体的な進展は見られていない。米側はイランに対し高濃縮ウランの国外搬出を求めているのに対し、イラン側は核拡散防止条約(NPT)に基づく平和利用の権利を主張している。

両国関係は今年に入りさらに緊張を増した。2月末には米国とイスラエルによる対イラン空爆が行われ、イランは報復としてイスラエルや米軍基地にミサイル攻撃を実施した。これに伴い、世界の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の航行が大幅に制限され、国際エネルギー市場に影響が広がった。停戦は成立したものの、現在も不安定な状態が続いている。

アラグチ氏は記者団に対し、イランは外交努力を否定していないとしつつ、「相手側に誠意がなければ交渉は意味を持たない」と語った。また、停戦維持には応じる姿勢を見せながらも、必要であれば再び対抗措置を取る用意があるとも警告した。イラン国内では強硬派を中心に米国への不信感が根強く、政府が安易な譲歩を行えば政権基盤に影響する可能性もある。

一方、トランプ(Donald Trump)米大統領は15日放送のFOXニュースのインタビューで、「イランに対して、それほど長く忍耐強くはいられない」と述べ、早期合意を求めた。米国は中東地域の安定確保と核開発阻止を最優先課題としており、中国や湾岸諸国とも連携しながらイランへの圧力を強めている。外交解決への道筋は残されているものの、双方の不信感は極めて深く、事態打開への見通しは依然不透明な状況にある。

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