ペルー大統領選の結果確定、ケイコ・フジモリ氏と左派候補が決選投票に進出
選挙管理当局が15日に公表した開票結果によると、ケイコ・フジモリ氏が最多得票を獲得。サンチェス氏が2位につけ、決選投票進出を決めた。
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南米ペルーで4月12日に行われた大統領選挙の第1回投票で、右派のケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏と左派のロベルト・サンチェス(Roberto Helbert Sánchez Palomino)氏が決選投票に進むことが決まった。深刻な政治不信と経済停滞に直面するペルーでは、有権者の既成政治への不満が強まっており、今回の選挙は国内の分断を象徴する戦いとなっている。
選挙管理当局が15日に公表した開票結果によると、ケイコ・フジモリ氏が最多得票を獲得。サンチェス氏が2位につけ、決選投票進出を決めた。強硬右派のアリアガ(Rafael López Aliaga)氏は僅差で敗れた。ペルーでは大統領選で過半数を得票した候補がいない場合、上位2人による決選投票が行われる。決選投票は6月7日に行われる予定だ。
アリアガ氏はこの結果に異議を申し立てている。
ケイコ・フジモリ氏は1990年代に大統領を務めた故アルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領の長女である。アルベルト氏は左翼ゲリラ組織への強硬対策や経済改革によって一定の支持を集めた一方、在任中の人権侵害や汚職事件で有罪判決を受けた。ケイコ氏はこれまで3度大統領選に出馬しているが、いずれも決選投票で敗北しており、今回4度目の挑戦となる。犯罪対策強化や市場重視政策を掲げ、都市部の中間層や保守層から支持を得ている。
これに対し、サンチェス氏は農村部や低所得層の支持を背景に勢力を伸ばした。サンチェス氏は2022年に罷免・逮捕された左派のカスティジョ(Pedro Castillo)元大統領に近い立場の政治家で、カスティジョ政権下で閣僚を務めた経歴を持つ。鉱業利益の再分配や社会支出拡大を訴え、「政治エリートに支配された国家を変える」と主張している。一方で、急進左派勢力との近さや経済政策への不透明感から、企業界や投資家の警戒感も強い。
ペルーでは近年、大統領の失脚が相次ぎ、政治不安が慢性化している。2018年以降だけでも複数の大統領が弾劾・辞任・逮捕に追い込まれ、国民の政治不信は極めて深刻だ。加えて、インフレや治安悪化、地方経済の停滞も続き、有権者の間では既存政治への怒りが広がっている。今回の選挙でも、多数の候補が乱立し、票が大きく分散した。
専門家の間では、決選投票は「フジモリ派への評価」を軸とした争いになるとの見方が強い。ケイコ氏を支持する層は「治安回復と安定」を期待する一方、反対派は「権威主義への逆戻り」を懸念している。サンチェス氏側は反エリート感情を追い風に支持拡大を狙う構えだが、経済運営能力への疑問を払拭できるかが課題となる。政治的分断が深まる中、次期政権が安定した統治基盤を築けるかどうかは依然不透明な情勢となっている。
