イランが湾岸諸国を攻撃、米軍の報復空爆に反撃、ホルムズ閉鎖で混乱拡大
今回の軍事衝突により、米国とイランがこれまで模索してきた航行再開や停戦維持に向けた協議は事実上停止した。
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イランは12日、米軍による新たな空爆への報復として、カタールやアラブ首長国連邦(UAE)など湾岸諸国へのミサイル・ドローン攻撃を拡大するとともに、ホルムズ海峡の閉鎖したと宣言した。これに対し米国は、海峡は依然として航行可能であり、イランの主張は認められないと反発している。中東地域では軍事的緊張が一段と高まり、国際社会が全面的な地域紛争への発展を懸念している。
今回の事態は米軍がイラン国内の軍事施設に対して大規模な報復空爆を実施したことを受けて発生した。米軍はミサイル発射拠点や無人機関連施設など300か所以上を攻撃したとしており、イラン側はこれを主権侵害と非難した。
イラン軍は報復措置として、これまで主な攻撃対象だった米軍施設に加え、湾岸諸国にも攻撃範囲を広げた。カタール、オマーン、バーレーン、ヨルダン、UAEではミサイル警報が相次いで発令され、一部では死傷者やインフラ被害も報告されている。
イランは同日、新たに設置した「ペルシャ湾海峡管理当局」の権限に基づき、ホルムズ海峡を閉鎖すると宣言した。同国は許可のない外国船舶の航行は認めないと主張、海峡周辺の支配権を強調している。一方、米軍は海峡は依然として開放されており、一部の航路では商船の航行が継続していると説明した。ただし、多くの海運会社が安全確保を優先して運航を見合わせるなど、海上輸送に混乱が広がっている。
ホルムズ海峡は世界の海上原油輸送の約2割が通過する要衝であり、その機能停止は世界経済にも大きな影響を及ぼす。原油や液化天然ガス(LNG)の輸送停滞への懸念から、国際エネルギー市場では供給不安が高まり、各国政府は価格高騰や物流混乱への警戒を強めている。サウジアラビアは紅海側への原油輸送能力の拡大を急ぐなど、ホルムズ海峡への依存を減らす対応も進めている。
今回の軍事衝突により、米国とイランがこれまで模索してきた航行再開や停戦維持に向けた協議は事実上停止した。イランは米軍の攻撃停止と自国の海峡管理権の承認を求める一方、米国はイランに対し、商船への攻撃停止と自由な航行の保障を受け入れるよう要求している。
双方の立場の隔たりは大きく、仲介役を務めるカタールやオマーンなどによる外交努力も難航している。中東情勢は新たな局面を迎えており、偶発的な衝突が全面戦争に発展する可能性も指摘されている。
