イラン外相「米国が合意案を履行しない限り、核協議は行わない」
アラグチ氏は国営テレビのインタビューで、現在協議されている”覚書案”はまだ最終的な合意文書ではなく、内容が変更される可能性もあると説明した。
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イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相は12日、米国との核問題に関する協議について、現在交渉中の合意案が実際に履行されない限り本格的な核交渉には応じないとの立場を強調した。米国とイランは数カ月にわたり恒久的な停戦と関係改善に向けた協議を続けているが、核開発問題を巡る隔たりは依然として大きく、交渉は重要な局面を迎えている。
アラグチ氏は国営テレビのインタビューで、現在協議されている”覚書案”はまだ最終的な合意文書ではなく、内容が変更される可能性もあると説明した。その上で、まずは双方が暫定合意の内容を履行し、停戦や地域情勢の安定化に向けた具体的な措置を実行することが先決だと強調した。イラン側は約束が実際に守られることを確認するまでは、核開発計画に関する本格的な協議に進む考えはないとしている。
現在協議されている合意案にはホルムズ海峡の航行正常化や地域紛争の沈静化、経済制裁の一部緩和などが含まれているとされる。米側はイランによる高濃縮ウランの処分や核開発能力の制限を求めているが、イランはこれらの問題を停戦や信頼醸成措置とは切り離して議論すべきだと主張している。
一方、米政府は両国の合意が「数日以内に成立する可能性がある」との見方を示している。報道によると、合意が締結された場合、60日間程度の技術協議期間が設けられ、その後に核問題を含む包括的な交渉が開始される見通しだ。米国は段階的な制裁緩和や凍結資産の利用拡大を検討しているが、すべての措置はイラン側の履行状況を条件とする「成果連動型」の仕組みになると説明している。
ただし、双方の認識には依然として大きな隔たりがある。イランは協議の焦点は停戦と地域安全保障であり、核開発問題は将来の交渉課題だと説明している。一方、米国は最終的にイランの核兵器開発能力を完全に排除することを目標とし、濃縮ウランの廃棄や厳格な査察制度の導入を求めている。こうした認識の違いは、将来的な包括合意に向けた大きな障害となる可能性がある。
核問題を巡っては、2015年に締結された核合意(JCPOA)がトランプ政権の離脱によって崩壊し、その後イランは濃縮活動を拡大してきた。今回の協議は長年続いてきた対立を解消する新たな枠組みづくりとして注目されているが、妥結への道のりはなお不透明だ。
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