フーシ派、イエメン紅海沿岸で勢力拡大、サウジの原油輸出に圧力、バブ・エル・マンデブ海峡が焦点
フーシ派による紅海沿岸での前進が続けば、イエメン内戦だけでなく、世界の海上輸送とエネルギー供給を巻き込む危機へ発展する可能性がある。
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イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海沿岸で攻勢を強め、サウジアラビアの原油輸出に新たな脅威が生じている。フーシ派は10日、紅海沿岸の要衝モカを掌握し、その後、ハニシュ諸島方面へ進出した。これにより紅海とアデン湾を結ぶ要衝バブ・エル・マンデブ海峡への圧力が一段と高まっている。
バブ・エル・マンデブ海峡は欧州とアジアを結ぶ主要な海上輸送路の一つで、中東からの原油やその他エネルギー資源を輸送する重要航路でもある。フーシ派が同海峡周辺で攻撃能力を高めれば、タンカーの航行に支障が生じ、サウジを含む湾岸諸国のエネルギー輸出だけでなく、世界的な物流にも影響が及ぶ可能性がある。
今回の攻勢はイランと米国を中心とする対立が激化する中で起きた。フーシ派は今年、サウジに対する海上封鎖を宣言し、サウジ南部のエネルギー関連施設などを標的とした攻撃も強めている。サウジは防空態勢を強化するとともに、イランに対してフーシ派の攻撃を抑えるよう求めてきた。一方、イランはフーシ派を統制しているとの見方を否定している。
イエメンでは2022年に成立した停戦によって大規模な戦闘が抑えられてきたものの、今回のフーシ派の領土拡大によって内戦再燃への懸念も強まっている。サウジが支援するイエメン政府部隊も対抗しており、戦闘が紅海沿岸からさらに拡大すれば、停戦の崩壊につながる恐れがある。
グルンドバーグ(Hans Grundberg)国連イエメン担当特使も、今回の情勢を内戦の危険な新局面と位置づけ、国際的な懸念を示している。
原油市場にも影響が及んでいる。ホルムズ海峡がイラン戦争によって大きく制約されている状況で、バブ・エル・マンデブ海峡まで不安定化すれば、中東から世界市場へ原油を運ぶ主要航路が同時に圧迫されることになる。報道を受け、北海ブレント原油先物価格は一時4%上昇し、1バレル105ドルを超えた。
トランプ(Donald Trump)米大統領は10日、イランとの戦争について、11月の中間選挙後に終結するとの見通しを示したが、現地では逆に戦線が拡大している。
フーシ派による紅海沿岸での前進が続けば、イエメン内戦だけでなく、世界の海上輸送とエネルギー供給を巻き込む危機へ発展する可能性がある。
