◎人権団体はハマスの支配下に置かれている裁判所で公正な裁判が行われたかどうかに疑問を呈している。
パレスチナ、ガザ地区、イスラム過激派組織ハマスの戦闘員(Getty-Images)

パレスチナのガザ地区を実行支配するイスラム過激派組織ハマスは4日、殺人とイスラエルに協力した疑いで有罪判決を受けたパレスチナ人男性5人を処刑した。

ガザ地区の内務省はこの処刑について、「パレスチナの安全を確立するために執行した」と説明している。

しかし、人権団体はハマスの支配下に置かれている裁判所で公正な裁判が行われたかどうかに疑問を呈している。

内務省によると、パレスチナ治安部隊の元隊員2人が銃殺刑に処され、残り3人は4日早朝、ガザ地区の刑務所内で絞首刑に処された。

ハマスが刑を執行したのは2017年以来5年ぶり。5年前の裁判ではハマスの高官を殺害した容疑でパレスチナ人3人が有罪となり、処刑された。

ハマスはアッバス(Mahmud Abbas)議長に忠誠を誓う勢力との紛争を経て、2007年にガザ地区を掌握した。

パレスチナ人権センター(PCHR)によると、ガザ地区の裁判所はこれまでに180件の死刑判決を言い渡し、パレスチナ政府の許可を得ることなく33件執行した。

パレスチナ自治政府は2018年に死刑廃止条約に署名した。

ガザ地区の内務省によると、4日に処刑された5人のうち2人はイスラエル軍に情報を流してガザ地区攻撃を支援した罪に問われたという。2人はそれぞれ2009年と2015年から拘束されていた。

残り3人は殺人罪に問われていた。このうち1人は今年7月に10代の少女を銃殺したとされる。

ハマスとイスラエルは2007年以降、4回戦争を繰り広げ、直近では2021年5月に交戦している。イスラエル、米国、EUはハマスをテロ組織に指定している。

2021年5月16日/パレスチナ、ガザ地区、イスラエル軍の空爆(Getty Images/AFP通信)
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