◎イスラエルはイランを最大の敵と考え、経済制裁をさらに強化して核武装を阻止するよう米国に求めている。
2022年9月19日/イラン、首都テヘランの空港、ライシ大統領(Vahid Salemi/AP通信)

イスラエル政府は19日、イランのライシ(Ebrahim Raisi)大統領がホロコーストを否定したことに激怒した。

強硬派のライシ氏は米CBSニュースのインタビューで「ホロコーストを信じるか?」と問われ、「そういった出来事が起こったという兆候がみられる」と答え、ユダヤ人を挑発した。

ライシ氏は「ユダヤ人が主張する虐殺というものが行われたのであれば、調査・研究を進めるべきだろう」とイスラエルにケンカを吹っ掛けた。

このインタビューが放映された直後、イスラエルで怒りの声が上がった。

イスラエルのホロコースト記念センターは声明で、ライシ氏を「卑劣な反ユダヤ主義者」と糾弾した。「ホロコーストの発生に疑問を投げかけるなどあってはならないことです...」

ホロコースト生き延びた父を持つイスラエルのラピド(Yair Lapid)首相は大虐殺の生々しい写真をツイッターに投稿し、「これがイランです」と非難した。

イスラエルの国連大使もライシ氏の発言を「衝撃的」と断じ、グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長に反ユダヤ主義と憎悪を広める発言を否定するよう呼びかけた。

ライシ氏は今週の国連総会で演説する予定。世界の指導者が集まる年次総会に初めて出席することになる。

ライシ氏は超保守的な聖職者で、西側を敵視している。

イスラエルはイランを最大の敵と考え、経済制裁をさらに強化して核武装を阻止するよう米国に求めている。

一方、イランは長い間、イスラエルの破壊を目的とする武装集団を支援してきた。

イランの最高指導者はイスラエルを地図上から消し去ることを目指し、600万人ものユダヤ人が虐殺された歴史を歪曲したり、その存在を否定したりする発言を何度もしている。

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