◎同作は1863年にルイジアナ州の農園から脱走したアフリカ系アメリカ人の奴隷ピーターの実話を描いている。
2022年3月27日/ロサンゼルスのドルビー・シアター、クリス・ロックさんを平手打ちするウィル・スミスさん(Chris Pizzello/AP通信)

米主要メディアによると、ハリウッドスターのウィル・スミス(Will Smith)さんが主演する映画「Emancipation(原題)」の公開日が決定したという。

同作は今年3月のアカデミー賞授賞式でスミスさんがクリス・ロック(Chris Rock)さんにビンタを見舞って以来、宙に浮いていた。

同作の上映権は米アップルが1億500万ドルで落札しており、今年12月に劇場とストリーミングで同時リリースされる予定だ。

同作の製作費は諸経費を含めると1億2000万ドルになるものの、スミスさんがコメディアンにビンタを見舞ったことで宙に浮き、大変なことになるのではないかと危惧されていた。

アップルはこの映画を近年最も注目される作品のひとつと称賛し、一部の批評家も2023年のオスカー候補のひとつと評している。ただし、スミスさんはアカデミー会員を退会しているため、授賞式に出席することはできない。

アップルは3日、同作の全米公開日を12月2日、Apple TV+によるストリーミング公開を12月9日と発表した。

アップルと全米黒人地位向上協会(NAACP)は先週、ワシントンD.C.で同作の初上映会を開催した。スミスさんも上映会に参加し、壇上でスピーチした。

同作は全世界で65億ドル以上の興行収入を上げているスミスさんの人気を確認する試金石になるだろう。ただし、映画館で上映される期間は限られている。

アップルは昨年のアカデミー賞作品賞受賞作である「コーダ あいのうた(原題:CODA)」のように、多くの家庭で視聴されることを望んでいる。

同作は1863年にルイジアナ州の農園から脱走したアフリカ系アメリカ人の奴隷ピーターの実話を描いている。

同作はもともとジョージア州で撮影される予定だったが、同州で投票権を制限する法律が制定されたことを受け、ニューオーリンズ州に制作拠点を移し、2021年夏に撮影された。

ビンタ事件がなければ、同作は2022年の早い時期に公開されると予想されていた。スミスさんはアカデミー賞授賞式に出席できないが、主演男優賞にノミネートされる資格は残っている。

スミスさんはビンタ事件後、「私の行動は衝撃的で痛々しく、許しがたいものでした」と謝罪した。

それ以来、スミスさんは公の場に姿を見せていない。7月下旬、スミスさんはソーシャルメディアに投稿した動画の中でロックさんに改めて謝罪した。

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