◎カニエ・ウェスト(本名イェ)さんは昨年、反ユダヤ発言と「ホワイト・ライブズ・マター」Tシャツで批判を浴びた。
ラッパーのカニエ・ウェストさん(Getty Images)

ドイツの衣料品大手アディダスが米国の最強ラッパー、カニエ・ウェスト(本名イェ)さんをめぐるトラブルで投資家から訴えられた。

アディダスは昨年、反ユダヤ発言と「ホワイト・ライブズ・マター(White Lives Matter、白人の命が大切の意)」Tシャツトラブルを受け、イェさんとの契約を解消した。

投資家たちは経営陣がイェさんの問題行動を数年から認識していたにもかかわらず、無謀な契約を結び、会社に損害を与えたと主張している。

アディダスはプレスリリースで投資家の主張を真っ向から否定し、必要な措置を講じると表明した。

イェさんはこの訴訟の当事者ではない。イェさんがプロデュースするアディダスのブランドYeezy GAPは大成功を収めた。

しかし、アディダスはイェさんの問題発言後、Yeezyの販売を停止。数億ユーロ相当の在庫を抱えることになった。報道によると、同社はこの問題で最大7億ユーロ(約1050億円)の損失を計上する可能性があるという。

アディダスは昨年10月、イェさんとのコラボを終了する際、次のように述べていた。「アディダスは反ユダヤ主義やその他のいかなる種類のヘイトスピーチも容認しません...」

「イェの最近の発言や行動は受け入れがたく、憎悪に満ちた危険なものであり、多様性、包摂、相互尊重と公正という我が社の価値観に反しています...」

米経済紙ウォールストリート・ジャーナルによると、投資家たちは28日に訴えを起こしたという。

投資家たちは前CEOを含む経営陣がイェさんの疑わしい行動や言動を数年前から認識していたにもかかわらず、そのブランドに数億ユーロを投資し、会社に損害を与えたと主張している。

WSJ紙は2018年にアディダス経営陣がイェさんの問題点について議論したとされる議事録を掲載した。

それによると、経営陣は当時、イェさんとの契約を切る可能性についても議論していたという。

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