SHARE:

フランス南部で山火事延焼中、1万人避難、16人負傷、建物被害も

消防によると、6日時点で16人が負傷し、このうち4人は消火活動に当たっていた消防隊員だった。
2026年7月6日/南フランス、山火事により全焼した建物(ロイター通信)

フランス南部で発生した山火事が急速に拡大し、スペイン国境に近い地域で1万人を超える住民が避難を余儀なくされている。乾燥と強風にあおられた火災は複数の集落を脅かし、消防隊による消火活動が続いている。欧州連合(EU)も航空機や消防隊員を派遣し、国際的な支援態勢が取られている。

火災は南部ピレネー山脈近郊の集落で発生した。炎は短時間で燃え広がり、約20の町や村の住民に避難命令が出た。焼失面積は約46平方キロメートルに達した。消防によると、6日時点で16人が負傷し、このうち4人は消火活動に当たっていた消防隊員だった。人的被害の拡大を防ぐため、数百人規模の消防隊員が昼夜を問わず消火作業を続けている。

現地では先月から続く熱波の影響で森林や草地が著しく乾燥していたうえ、強風が火勢を強めている。気象当局は今後もしばらく風の強い状態が続くと予測しており、鎮火までには時間を要する可能性がある。EUの執行機関である欧州委員会はEU市民保護メカニズムを発動し、キプロスとスウェーデンから計4機の航空機を派遣したほか、100人以上の消防隊員を現地へ送り込むことを決定した。欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は声明で、「EUはフランスとともにある」と述べ、加盟国による連携支援を強調した。

山火事の影響は地域経済やイベントにも及んでいる。世界最高峰の自転車レース、ツール・ド・フランスでは、火災がコース周辺に接近したため、一部区間で沿道観戦が禁じられ、大会関連イベントも縮小された。主催者は選手や観客の安全確保を最優先するとしている。

南ヨーロッパではフランスだけでなく、スペインやポルトガル、ギリシャでも山火事が相次いでいる。スペインでは保護区を含む約22平方キロメートルが焼失し、ポルトガルでも100平方キロ規模の火災が発生するなど、被害が拡大している。世界気象機関(WMO)は、欧州の気温上昇は世界平均を大きく上回るペースで進んでおり、熱波や干ばつによって山火事の危険性が今後さらに高まるとの見方を示している。専門家は気候変動による極端気象が森林火災の頻発と大規模化を招いていると指摘し、各国に防災体制の強化と温暖化対策の推進を求めている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします