◎これまでにバレンシアや周辺地域で200人以上の死亡が確認され、80人以上が今も行方不明のままだ。
2024年11月9日/スペイン、バレンシア自治州バレンシア市、州首相の退任を求めるデモ(AP通信)

スペイン東部バレンシア自治州で9日、200人以上が死亡した洪水をめぐり、州当局の注意喚起が遅れたことに抗議するデモが行われ、数万人が州首相に辞任を要求した。

デモはバレンシア市の中心部で行われ、一部の暴徒が市役所に突撃し、機動隊と衝突した。

バレンシアや南部アンダルシア自治州では10月29日に雨量が急増。広い範囲で道路が冠水し、建物の浸水被害も相次いだ。

これまでにバレンシアや周辺地域で200人以上の死亡が確認され、80人以上が今も行方不明のままだ。

バレンシアのマゾン(Carlos Mazón)州首相は10月29日の早い時間に警告を出さなかったとして、一部の市民から非難を浴びてきた。

デモ隊は「マゾン、辞任!」などと書かれた看板を掲げて市内を行進。庁舎前に到着すると、暴徒化した数人が機動隊に泥を投げつけた。

マゾン氏は洪水を事前に予測することは不可能だったと主張。中央政府からも十分な警告を受けていなかったとしている。

しかし、気象庁は大洪水が迫っていた10月29日の午前7時半、バレンシアを含む東部の広い範囲に出していた大雨洪水警報を最高レベルに引き上げていた。

バレンシアでは10月29日の午後6時頃から各地で洪水が発生。マゾン政権が市民の携帯に警戒アラームを送信したのは午後8時過ぎだった。

マゾン氏は先週末、王族とサンチェス(Pedro Sánchez)首相らとともに被災地を視察した際、激怒した住民から泥を浴びせられた。

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