◎クリスマス休暇を控えた米国民は空港で立ち往生し、道路で行き詰まり、雪かきに追われた。
2022年12月23日/米サウスダコタ州の牧場(ロイター通信)

当局は23日、強力な爆弾低気圧が各地で猛威を振るい、150万人以上が停電の影響を受け、航空便数千便がキャンセルされたと発表した。

国立気象局(NWS)によると、北西部から東部の広い範囲が気象警報の対象となり、23日時点で約2億人が影響を受けているという。

クリスマス休暇を控えた米国民は空港で立ち往生し、道路で行き詰まり、雪かきに追われた。

当局によると、この異常気象による全国の死者は23日午前の時点で12人確認されているという。

北西部から東部に進んだ低気圧は米加国境付近に連なる五大湖で爆弾低気圧に成長した。NWSはこの低気圧がカテゴリー3まで成長すると予想している。

<ハリケーンのカテゴリー>
▽カテゴリー1:秒速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:秒速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:秒速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:秒速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:秒速 70~(m/s)

カナダのオンタリオ州とケベック州は暴風雪に見舞われ、数十万世帯が停電したと伝えられている。

米国の暴風雪エリアは南部テキサス州から東部メイン州の間、約3200kmの範囲に広がり、NWSは「過去最大規模の冬の嵐になる可能性がある」と警告した。

モンタナ州エルクパークの最低気温はマイナス45度を記録した。

ペンシルベニア州とミシガン州当局は記録的な大雪になると警告した。非常事態を宣言したニューヨーク州バッファローの降雪量は多いところで90cmに達すると予想されている。

ルイジアナ、アラバマ、フロリダ、ジョージアなど、普段は暖かい南部州でも暴風雪警報が出ている。

オハイオ州では車50台が絡む玉突き事故が発生し、少なくとも1人が死亡した。

ABCニュースによると、23日の航空便欠航数は8000便を超え、クリスマス休暇を直撃したという。中部と東部の主要空港で混乱が続いているようだ。

23日夕方時点の全国の停電世帯数は120万戸と報告されている。各地の電力会社は暴風と大雪により、停電範囲が拡大する恐れがあると警告している。

テネシー州の一部地域では計画停電が実施された。

ソーシャルメディアには▽寒すぎる▽早く夏が来てほしい▽寒すぎて無理▽停電は勘弁してなどといったコメントが多数寄せられている。

コロラド州デンバーの22日深夜の気温はマイナス24度まで低下した。

カンザス州ウィチタでは2000年以来となるマイナス32度。テネシー州ナッシュビルでは26年ぶりに氷点下を記録した。

ワイオミング州キャスパーの20日の最低気温はマイナス42度を記録した。

ニューヨーク、ウェストバージニア、ケンタッキー、ジョージア、ノースカロライナ、オクラホマ州が非常事態。ウィスコンシン州はエネルギー非常事態を宣言した。

AP通信によると、サウスダコタ州ではネイティブアメリカンの部族が燃料を使い果たし、暖を取るために服を燃やしているという。

この部族の酋長はAPに、「完全な負け戦であり、極めて厳しい」と語った。報道によると、この部族4万6000人の多くが支援を求めているという。

ディーゼル燃料は凍てつく寒さでゲル化し、多くのSNSユーザーが発電機の故障を報告している。

サウスダコタ州のノーム(Kristi Noem)知事は23日、ネイティブアメリカンを支援するために州兵を動員すると発表。州内の国有林から薪を運ぶよう命じた。

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