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海面上昇で変わる米カリフォルニアの海岸都市、鉄道にも深刻な影響

サンクレメンテで進む変化は、単なる海岸の景観問題ではない。海面上昇が住宅、観光、交通網など都市機能そのものに影響を及ぼし始めていることを示す事例となっている。
2026年9月18日/米カリフォルニア州サンクレメンテのビーチ(AP通信)

米カリフォルニア州南部の都市サンクレメンテで、海面上昇と海岸侵食が市民生活や交通インフラを脅かしている。長年、白い砂浜と海岸線で知られてきた同市では、波による砂浜の浸食が進み、かつて歩いて移動できた海岸の一部が分断されている。海沿いの崖も崩れ、住宅への被害も発生している。

特に深刻なのが海岸沿いを走る鉄道路線への影響だ。この区間はサンディエゴとロサンゼルス周辺を結ぶ約565キロの旅客鉄道網の一部で、旅客列車だけでなく貨物列車や軍事輸送にも利用されている。サンクレメンテを通る約11キロの区間では、海側から押し寄せる波と陸側の崩れやすい崖に挟まれ、過去5年間、繰り返し運休が発生している。

鉄道当局は線路を守るため、海岸に岩を設置するなどの対策を進めてきた。しかし、波が岩にぶつかることで砂が沖へ流され、結果的に侵食を速めるという問題もある。2026年9月には高潮と強い波によって線路が一時閉鎖され、線路脇の斜面や既存の防護用岩石にも被害が確認された。

背景には海面上昇に加え、都市開発によって海岸の砂が減少していることや、海水温の上昇によって波がより高く、陸側まで届きやすくなっていることがある。地質調査所(USGS)は海面が上昇し続ければ、砂浜はさらに陸側へ後退すると指摘している。

市側は砂浜を回復させるため、大量の砂を補充する計画を進めている。市の管理責任者によると、現在の砂不足は約300万立方ヤードに達し、すべてをトラックで運ぶ場合には約30万回の輸送が必要になるという。市では砂の補充などの費用を賄うため、1%の売上税を導入する案も11月の住民投票にかけられる予定だ。

一方、鉄道を守る方法は砂の補充だけではない。線路を内陸側へ移設する案も検討されているが、費用が大きな課題となっている。対策が長期的に機能しなければ、旅客鉄道や貨物輸送そのものをどう維持するかが問われることになる。

サンクレメンテで進む変化は、単なる海岸の景観問題ではない。海面上昇が住宅、観光、交通網など都市機能そのものに影響を及ぼし始めていることを示す事例となっている。

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