◎7600以上の島々からなるフィリピンには毎年多くの台風が接近または上陸する。
2022年9月25日/フィリピン、首都マニラ郊外、荒波の中を泳ぐ男性(Aaron Favila/AP通信)

フィリピンの気象当局は26日、台風16号(アジア名:ノルー)がケソン州に上陸し、広い範囲に大雨と強風をもたらしたと報告した。

地元メディアによると、救助隊はこれまでに5人の死亡を確認したという。首都マニラでは3000人以上が避難を余儀なくされた。

台風16号は25日遅くにケソン州に上陸。その後勢力を弱めたものの、広い範囲で大雨と強風が報告された。一部地域は冠水したと伝えられている。

マニラの北に位置するブラカン州政府によると、冠水した地域に派遣された救助隊5人が死亡したという。死因は明らかにされていない。同州の知事は地元メディアのインタビューの中で、死亡した5人に哀悼の意を表した。

ケソン州北東部のポリロ島では男性が自宅の屋根から転落、負傷した。

当局によると、ケソン州だけで1万7000人以上が避難所に避難したという。

AP通信は政府当局者の話を引用し、「マニラの一部地域は頭の高さまで冠水したものの、その後水は引き、後片付けが始まっている」と報じた。マニラで死者は確認されていない。

北部アウロラ州とヌエバ・エシハ州では電力設備が損傷し、一部地域で停電が発生した。

マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr)大統領は州政府高官も交えて行ったテレビ会議の中で、関係閣僚に被害を受けた地域に支援物資を空輸するよう命じた。

マルコス・ジュニア氏は、「天候が回復し避難者が自宅に戻るまで気を抜かず、救助と支援作業に当たってほしい」と呼びかけた。

フィリピン気象庁(PAGASA)の報道官はAP通信の取材に対し、「ノルーは上陸前に勢力を強めたが、事前の避難が功を奏し、被害を最小限に抑えることができた」と語った。

7600以上の島々からなるフィリピンには毎年多くの台風が接近または上陸する。

昨年12月に上陸した台風22号(アジア名ライ)では約400人が死亡。赤十字国際委員会(ICRC)は家屋約150万戸が倒壊・損壊したと報告している。

2013年に南部に上陸した台風30号(アジア名ハイエン)はフィリピン史上最悪の被害をもたらし、8000人以上が死亡または行方不明となった。

2022年9月25日/フィリピン、首都マニラ郊外(Aaron Favila/AP通信)
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