◎3月中旬~4月22日の間に確認された死者は35人。避難者は10万人を超えた。
2024年4月23日/ケニア、マチャコス郊外の冠水した農地(Getty Images)

東アフリカ・ケニアの広い範囲で大雨が続き、洪水による被害が悪化の一途をたどっている。

気象台は23日、首都ナイロビやマチャコスの今後数日間の雨量が平年数カ月分に相当するレベルに達する可能性があると警告した。

それによると、全国の3~5月の雨量も平年同期間の数倍に達する恐れがあるという。

ナイロビの南東60キロに位置するマチャコスでは平地のほぼ全てが冠水。数万人が自宅に取り残され、救助を待っている。

ケニア赤十字社の報道官は22日夕方、マチャコスと北部タナリバー郡で支援を求める人が急増しているという連絡を受け、職員を現地に追加派遣したと明らかにした。

それによると、水中捜索救助の訓練を受けたチームら数十人がエンジン付きのゴムボートで現地入りし、地元当局・消防・警察の救助活動をサポートしたという。

被害の全容は明らかになっておらず、中央政府が調査を進めている。3月中旬~4月22日の間に確認された死者は35人。避難者は10万人を超えた。

洪水により、多くのインフラ、農地、学校、民家、中小企業、小売店が被害を受けた。国営テレビは政府高官の話しとして、「被害総額は数十億ドルに達するとみられる」と伝えている。

赤十字は20日の大雨で被害を受けたナイロビでも救助活動に当たった。

洪水が起こりやすい平地で生活する住民は荷物をまとめて高台に避難するよう勧告されている。

マチャコス郊外の集落で被災したという女性はAP通信の取材に対し、「自宅は流され、畑も湖のようになってしまった」と語った。

この女性はルト政権に対し、被災地に食料支援を急ぐよう訴えた。「私の農作物は全滅です。何も収穫できません。私たちは飢えています...」

政府は国連や国際NGOなどと協力して被災地に物資を送り、復興に向けた予算措置やその他準備を進めると表明している。

東アフリカで大雨に見舞われている国はケニアだけではない。タンザニアではこの数週間で100人近くが死亡、12万人以上が避難を余儀なくされている。

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