◎自転車に乗っていた男性が増水した河川に流され死亡。郊外では民家が土砂崩れに巻き込まれ、少なくとも1人が死亡、1人が行方不明になっている。
2023年5月3日/イタリア、エミリアロマーニャ州近郊、冠水した道路(Michele Nucci/LaPresse/AP通信)

イタリア当局は3日、同国で最も人口の多いエミリアロマーニャ州の広い範囲で大雨による洪水が発生し、少なくとも2人が死亡したと発表した。

同州では前日から大雨となり、干ばつに悩まされていた複数の河川が氾濫。中心部では道路が冠水し、多くの住宅が浸水被害に遭った。

当局によると、自転車に乗っていた男性が増水した河川に流され死亡。郊外では民家が土砂崩れに巻き込まれ、少なくとも1人が死亡、1人が行方不明になっている。

イタリアは昨年から深刻な干ばつに悩まされ、国内最長の河川ポー川を含む農業に欠かせない重要河川の水量が激減。農作物を脅かしていた。

ポー川はエミリアロマーニャ州を含むイタリア全土の農業生産者の「水瓶」と呼ばれている。

当局によると、前日からの豪雨でポー川の水位は1.5m上昇し、エミリアロマーニャ州の複数の河川で堤防が決壊。約450人が避難を余儀なくされた。

農業組合コルディレッティ(Coldiretti)は声明で、「この激しい嵐で干ばつは解消したが、大洪水でブドウ畑やオリーブ畑が大きな被害を受けた」と述べている。

北部ロンバルディア州とベネト州にまたがり、農業に利用されている同国最大の湖で人気観光地のガルダ湖の容量は43%まで低下していた。当局によると、この水量は今回の大雨で改善される可能性があるという。

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