◎米領プエルトリコなどではこれまでに8人の死亡が確認され、数千人が避難を余儀なくされている。
2022年9月23日/カナダ、ノバスコシア州ハリファックスの食料品店(Darren Calabrese/The Canadian Press)

カナダ政府は23日、大西洋岸の住民に対し、米領プエルトリコとバミューダ諸島に暴風雨を持たらしたハリケーン「フィオナ」の上陸に備えるよう警告した。

気象当局によると、フィオナは24日の午前中に東部沿岸に上陸する見込み。上陸時の予想カテゴリーは上から3番目のレベル3だが、広い範囲に大雨をもたらすと予想されている。

<ハリケーンのカテゴリー>
▽カテゴリー1:秒速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:秒速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:秒速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:秒速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:秒速 70~(m/s)

プエルトリコなどではこれまでに8人の死亡が確認され、数千人が避難を余儀なくされている。

カナダの気象当局は声明で、「フィオナの勢力は上陸前に弱まる見込みだが、広い範囲で大雨・洪水・土砂崩れが発生する可能性がある」とし、最大限の警戒を呼び掛けている。

トルドー(Justin Trudeau)首相は23日、「地元当局の指示に耳を傾け、迅速に行動してほしい」と東部の住民に呼びかけた。

ノバスコシア州、プリンスエドワード島、ニューファンドランド、ニューブランズウィックの大西洋岸地域とケベック州の一部地域には暴風警報が発令された。

報道によると、東部の一部地域の24時間雨量は250mmに達し、洪水のリスクが高まっているという。

ノバスコシア州政府はハリケーンの上陸に備え、州都ハリファックスとケープブレトン島に避難所を複数開設した。

ケープブレトンの市長はSNSに声明を投稿。経験したことのない水害が発生する可能性があると警告した。「ハリケーン上陸前に避難を終えてください...」

カナダは大型ハリケーンを経験したことがほとんどなく、そこに接近したハリケーンは北部の冷たい海域で勢力を失い、温帯低気圧に変わることがほとんどである。

しかし、フィオナは勢力を維持した状態で上陸するとみられ、2003年にノバスコシア州に上陸したハリケーン「フアン」のカテゴリー2を上回ると予想されている。

公営カナダ放送協会(CBC)は気象学者の話を引用し、「フィアナはフアンを超える勢力でノバスコシア州に上陸する見通し」と報じている。

フィアナは23日未明にバミューダ諸島に上陸した。報道によると、島内の学校は公共施設はすべて閉鎖されたという。

フィオナは今週初めに米領プエルトリコとドミニカ共和国に大きな被害を与えた。プエルトリコは島内全域で停電が発生(一部回復)し、広い範囲で断水が続いている。

プエルトリコでは生後4カ月の乳児を含む4人の死亡が確認された。仏領グアドループ島でも死者が出ている。

一方、カリブ海では新たなハリケーンが発生し、米フロリダ州に接近すると予想されている。米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、このハリケーンは来週、フロリダ州に上陸する可能性があるという。

2022年9月21日/米領プエルトリコ、洪水に見舞われた住宅地(Alejandro Granadillo/AP通信)
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